お水取の儀

2013年12月30日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 11:02 Comments( 0 ) 湧き水に関する行事
「お水取の儀」という資料が出てきたので、ここに記しておきます。
資料には、2012年12月23日 安仁屋眞昭 記  と書かれています。

このひげの方が安仁屋さんです。
昨年の澤岻樋川でのお水取りの際に配布された資料です。

スィディ ミズィ
元旦の若水、神事、祭式での浄めの水を「スィディミズィ」という。または、「おもひ撫での水」(ウビーナディのミズ)ともいう。「スィディ」は、新生、再生の意味。

二水献じ
12月20日、時之大屋子一人を遣わし、辺戸へ行かせ、辺戸の祝女(ヌール)に御崇(ウタカビ)をさせてから、時之大屋子が水を汲んで帰る。

28日になると、当(アタイ:王室内の庶務係、身分の高い若い者がなる)と勢頭(シードゥ:かしら、下層階級の語)の官は上奏して、その水を固く封じて御照堂(円覚寺山門内の左にあった建物)に安置する。元旦に、吉方(恵方)の水を汲んでくる。女官の内庫裏阿武志良礼(ウチクイ アムシラレイ)が、辺戸と吉方の水とを王に献上する。吉方(恵方)の水とは、常に定まったところがある。

子(ネ)の方・・・浦添の鏡川
丑(ウシ)の方・・・浦添の阿佐名川
寅(トラ)の方・・・西原の幸地樋川
卯(ウ)の方・・・弁ぬ嶽川
巳(ミ)の方・・・崎山樋川
午(ウマ)の方・・・識名アク川
未(ヒツジ)の方・・・識名喜堀川
申(サル)の方・・・識名石志屋川
亥(イ)の方・・・浦添の澤岻樋川
(註)現在は恵方の水は澤岻樋川の水だけになっている。




澤岻樋川でのお水取りと首里城への奉納

2013年12月23日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 10:18 Comments( 0 ) 湧き水に関する行事
昨日12月22日は、澤岻樋川でのお水取りと「首里城への美御水(ぬーびー)の奉納祭」が行われました。



美御水の奉納については、「王府では辺戸より届いた水は旧暦12月28日に、国王の菩提寺である円覚寺の御照堂に保管。元旦の未明に汲んだ吉方の井戸や樋川の若水と共に、御内原(うーちばる)のウチクイ阿母志良礼(あもしられ)の取り次ぎにより国王に献上していた。元旦の朝、国王は御百浦添御殿(うむんだすぃーうどぅん:正殿)2階の御庫裏(うふぐーい:大広間)で、聞得大君が差し上げる美御水で御水撫でを行い、朝拝御規式などの行事に臨まれていた」と、首里王府お水取り行事実行委員会発行のパンフレット「首里城お水取り行事」に記載されています。
ちなみに、現在では浦添市の澤岻樋川でのみお水取りが行われていますが、ぐし代表が保管していた資料にある2001年の新聞の切り抜きには「来年のえとである午(うま)の方向、識名の川で汲んだ「吉方水(えほうのみず)」をノロが混ぜて~」とあり、当時は識名でもお水取り行事を行うことができたのだと感慨にひたってしまいます。


澤岻樋川でのお水取りを終えた一行は首里城へと向かいます。











こうして一連の行事はすべて終了しました。この行事も終わるといよいよ新年を迎えます。
皆様にとって、2014年が素晴らしい年になりますように。


辺戸大川でのお水取り

2013年12月22日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 23:12 Comments( 2 ) 湧き水に関する行事
12月15日は、国頭村の辺戸大川でのお水取りが行われました。

お水取りとは、文献によると「王府は琉球開闢(かいびゃく)の聖地である安須杜(あすむい)のおひざ元、辺戸大川(へどうっかー)へと旧暦の12月20日に使者を送り、「美御水」(ぬーびー:額に水をつけて健康を祈願する儀式のこと。)を取り寄せていた。使者は王府からの供物をシチャラ嶽に、聞得大君(きこえおおぎみ)からの供物をシチャラ嶽、アフリ川、辺戸ノロ火神(ひぬかん)に奉じた。首里城へと持ち帰る12月の水は元旦の御水撫で(うびーなでぃ)に使ったという」とあります。1879年まで続けられていたこの「お水取り行事」が1999年に120年ぶりに復活し、今年で復活15周年を迎えます。
当日のタイムテーブルとしては、
13:00~13:20 神アサギにおいて、お水取り行事の開始、行事が無事に執り行われることを祈願。
13:30~13:50 辺戸大川において、清水を7回クバの柄杓ですくい、万国の安寧と太平、五穀豊穣、航海安全、御万人に健康長寿を祈願。ちなみに、「沖縄の水の文化誌」等の著者であり興南高校の教師でもある長嶺操先生の本によると、辺戸大川は、「俗に大川ト云。神名、アフリ川と云」との記述が「琉球国由来記」にあるそうです。王府の体制ともからんで、重要な拝みガーとなったと考えられる、と長嶺先生。
14:30~15:15 お水を供え、祖先への感謝と無事に首里城へ奉納されることを祈願。
となっています。

集落内を歩いているとこのような張り紙が(撮影:ぐし)。「“ご苦労さま”じゃなくて、“お疲れさま”だろう!」などと私たちはよく会話をするのですが、王様のお使いの方達が来られるのですから上から目線の「ご苦労さま」で正解なのでしょうね。

まずは神アサギでの祈願です。祈願の最中の写真撮影は禁止、携帯の電源も切るか、マナーモードへ切り替えるよう注意があります。また、規制線も張られ自由な角度からの見学もできません。本当に王様へ献上されるかのごとく大変厳かな空気の中、行事は進められていきます。

お水取りの一行が現れる前、ぐし代表が同行者にお水取り行事について解説をしていると、たまたまそばで写真撮影をしていた方がこれを聞きつけ、私たちに声をかけてきました。ぐし代表が「こういうことをしている者です」と名乗ると非常に興味深そうにしていたので、たまたま持ち合わせていた冊子「浦添の湧き水」を差し上げると非常に喜んでくださいました。


一行をお迎えする準備が整いました。そして、一行の登場です。
一連の祈願が終了すると、辺戸大川でのお水取りへと向かいます。
神アサギから数十メートル下の谷底へ降りて行きます。


そして、お水取りを終えた一行は、また集落へと戻り、道ズネー(行列)をなしてシチャラ嶽へと移動します。


一連の儀式終了後、お供えしたお米や、なんと!宜野湾市大山の田芋パイが配られました。

余談ですが、この行事の神女を勤めるのは、沖縄出身の歌手で女優のGWINKO(ぎんこ)さん。今の芸名は美良樹吟呼(みらいぎんこ)と言うそうで、実はアクターズスクールの第一期生なのだそうです。
行事の最中は行事に集中しているためか無表情なのですが、柔和な表情で記念撮影もしてくださいました。

先人たちが築き上げた琉球の文化を継承し、やんばるの美しい自然と、生命の源である清水を慈しみ、新しい年の平和、御万人(うまんちゅ)の健康を祈るお水取り行事。この行事が今後末永く継承され発展していくことを祈念します。

なお、文章の一部は、主催団体である「首里王府お水取り行事実行委員会」発行の「首里城お水取り行事」のパンフレットから引用させていただきました。
また、張り紙の写真と2011年の写真2枚、下の写真の計4枚を除く、迫力ある写真のすべては、セミプロカメラマン、二ノ宮信夫さんの撮影によるものです。

シャッターチャンスを逃すまいと、しゃがみ込んで撮影する二ノ宮さんです。
二ノ宮さんのご協力に心から感謝いたします。この場を借りて御礼申し上げます。












忘年会

2013年12月21日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 22:10 Comments( 0 ) 定例会
今日12月21日は、湧き水fun倶楽部の定例会&忘年会が金武町で行われました。

一行は、まずは沖縄を代表する湧き水である金武大川(きんうっかー)と、

昔ながらの佇まいが残されている貴重な慶武田川(きんたがー)へ。

見学と併せて、呉屋副代表から各湧き水についての説明もありました。

エビやカニを見つけて喜ぶみなさん。エビを見た浪岡さんが「これはオスやね」と言っていましたが、どこを見たらわかるんでしょう。

これらの生物がはっきりわかるほど水は澄んでいますが、水量がやや少ないように感じました。

まずはここで全員で記念撮影をします。

慶武田川でも学習をします。

道を挟んだ下流では、野菜を洗う女性が。今も、ここでは洗濯をしている人がいるそうです。
これだけいろいろなものが発達しても昔ながらの方法で生活をしている人がいるのですね。
11時半からは町内のレストラン、長楽に移動し、忘年会です。
このお店は田芋料理が名物。
多くの皆さんが注文をしたのがこれ、長楽弁当。

どぅる天やどぅるわかしぃなどの、金武町の名産品である田芋がふんだんに使われています。
また長楽弁当を注文した方全員が250円プラスでお吸い物をムジ汁に変更していました。


まずは、私からこの1年を振り返ってどんな出来事があったか報告をしたあと、

皆さんお一人づつこの1年の感想が述べられました。

食後は、昨年好評を博した「湧き水ビンゴ」が行われました。これは9コのマスに自分の好きな湧き水を書き入れたのち、1人づつそれを読み上げていき、縦横斜めが揃えばビンゴとなります。
参加者は11名、記入の多かった湧き水は次のとおりです。
1位 垣花樋川(南城市) 10票
2位 フプガー(本部町) 8票
3位 金武大川(金武町)、澤岻樋川(浦添市)、仲間樋川(浦添市) 7票
6位 仲村渠樋川(南城市)、金城大樋川(那覇市)、与座ガー(糸満市) 5票
9位 森の川(宜野湾市)、嘉手志川(糸満市)、塩川(本部町) 4票
・・・となり、計25の湧き水の名前があがりました。ちなみに、まん中のfreeのところには、慶武田川の名前が入っていました。
わざと他の人が書かないような湧き水の名前を書き入れて、自分が読み上げたときに誰にもチェックを入れさせないのも一つの手で、龍樋(那覇市)や大和ガー(宮古島市)など一人しか書かないような湧き水の名前を書き入れた人もいました。

食後は、金武鍾乳洞を訪れました。ここは、金武酒造の古酒蔵として利用されている鍾乳洞で、気温は16~17℃でほぼ一定、預かっているお酒は1万本を超えるそうです。
その後頂いた豆腐ようは絶品でした。

湧き水fun倶楽部の活動も、明日の澤岻樋川でのお水取り儀式の見学で今年も終わります。
この1年、活動に尽力されたみなさん、大変お疲れ様でした。 
来年は年明けから湧き水カルタの制作作業が本格化しますので、体調にも留意されて共に頑張りましょう。


首里城お水取り行事のご案内

2013年12月07日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 23:10 Comments( 0 ) 湧き水に関する行事
昔の琉球には、新年を前に国王の安寧と健康、国家の安泰を祈り、国頭村辺戸大川で汲んだ水と首里城周辺にあるその年の吉方(現在では、浦添市の澤岻樋川のみがお水取りが可能であるため、毎年澤岻樋川で行われます)にあたる泉の水を円覚寺に奉納し水を清め、首里城に献上する儀式がありました。
この行事が、首里城復元期成会によって平成10年に120年ぶりに復活しました。この、辺戸大川と澤岻樋川でのお水取りが今月行われますので、スケジュール等を簡単にお知らせします。
再現とは言っても、かなり厳かな儀式です。
昨年からだったか、儀式の最中の写真撮影は不可能となりました。

そして、浦添市の澤岻樋川でのお水取り。

こちらでの写真撮影は禁止されていません。

首里城への献上の儀式です。

これらの行事の予定は以下のとおりです。

・辺戸大川でのお水取り
12月15日(日) 13:00~ 辺戸公民館近く 辺戸公民館から少し離れた公園で最初の儀式が行われますので、見学を希望される方は辺戸公民館に12時~12時半頃までに到着するように行った方がいいと思われます。

・澤岻樋川でのお水取り
12月22日(日) 14:00前後 浦添市の昭和薬大付属高校向かいの、たくし屋の下にある澤岻ヒージャーで行われます。若干時間に変動がある可能性がありますので、少し早目に到着していた方がよいと思われます。お水取りについての解説や、お神酒が配られることもあります。

・首里城への献上
12月22日(日) 15:00 行列は首里公民館から首里城へ行進します。

いよいよ年も押し迫ってきました。これらの行事に参加される方は、防寒の用意も忘れずに、体調に気を付けてください。