ミツカン「水の文化」の取材

2017年07月19日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 21:43 Comments( 0 ) その他
7月16日、ミツカン水の文化センターのWEBサイトである「水の文化」の取材がありました。

ミツカンさんと言えば、お酢で有名なあのミツカンさんです。そのお酢のミツカンさんがなぜお水に関する取材をされているのかというと、「ミツカンが創業した愛知県の知多半島は水の確保が難しい地域で、良質な醸造酢を作るために山から木樋で水を引くなど、水の苦労を重ねてきた。江戸で今のにぎり寿司の原型である早ずしが流行したときは、廻船で尾張半田から江戸や大阪まで旨味成分の多い粕酢を運び、社業の礎を築いた。こうした水の恩恵を受け、水によって育てられたミツカンは、水をテーマとした社会貢献活動として1999年1月「水の文化センター」を設立。水の文化にかかわる研究活動を行い、その成果を広く公開し、啓発活動をすることで人々の豊かな暮らしの創造に貢献していくことを目標としている」(水の文化センターパンフレットより)ということだそうです。その「水の文化」の中の「水の風土記〈人ネットワーク〉」に、ぐし代表に登場していただきたい、ということで取材の依頼がありました。
この日、遠路はるばるお越しいただいたのは、「水の文化」の取材・編集等に携わっていらっしゃる前川さん、開さん、ミラーナさん(イタリアのご出身だそうです)、カメラマンの大平さん。

宜野湾市内で待ち合わせて、まずはヒャーカーガーへ行きます。



この一帯は普天間基地周辺を水源とするカーが点在しており、ここから湧き出した水は田芋畑を潤します。以前、普天間基地内でガソリンが流出した事故の際、湧き出した水からもガソリンが検出され、「ガソリンガー」などと呼ばれたこともあったそうです。

この日の水量はやや少ない感もありますが、それでも豊富な量であると言えそうです。


ひととおりお話を終えたあと、ひんやりと冷たい水に足を浸けほっと一息つきます。
その後、田芋畑を見渡せる場所から写真を撮りますが、心なしか、田芋の作付けが減っているように感じました。



そして、浦添市の仲間樋川(なかまヒージャー)へ。ここは浦添市指定の史跡で、市内で最も大きなカーのひとつです。
到着し車を降りると、カメラマンの大平さんがいきなりダッシュ。誰もいないカーの写真を撮ろうとされたのだと思いますが、カメラマンさんは大きな荷物を抱えて本当に大変なお仕事だと思いました。



仲間樋川は、1731年の文献にも登場するほどの由緒あるカーで、当時から日常飲用水、生活用水として利用され、信仰の場でもあったようです。幾度かの改修を経て、今の形になっています。

2カ所でのカーの取材を終えたあと、浦添グスク脇にあるパーラーへ移動しました。ここからが本格的な取材です。余談ですが、浦添グスク周辺は、先の大戦で激戦となり、今公開中の話題の映画「ハクソー・リッジ」(原題:Hacksaw Ridge)の舞台となった前田高地にあたり、琉球の三山が統一され王府が首里へ移る以前の王様だった英祖王のお墓があります。


取材の主な内容は、前川さんから事前にお送りいただいたメールによると以下のとおりです。
【湧き水を巡るようになったきっかけについて】
○樋川、井戸を調べるようになった経緯について
○どのように調べていったのでしょうか?
○湧き水fun倶楽部の結成の経緯と主な活動内容
【巡ってわかった沖縄の湧き水について】
○樋川[ヒージャー]と井戸[カー]の違いについて
○沖縄の湧き水の特徴とは?(湧き水が多いというイメージはなかったです)
○今日まで湧き水を巡られて、どんなことが見えてきたでしょうか?
(今と昔の水に対する意識の違いなど)
○「島豆腐」と湧き水の関係性について(幼少期の思い出など)
【沖縄の湧き水について伝えたいこと】
○湧き水を巡ることは、ぐし様にとってどのような意味をもつのでしょうか?
○湧き水fun倶楽部やご著書、講演などで、皆さんに何を伝えていきたいですか?


取材を終えて、皆さんと記念撮影。本当は私(渡辺)が皆さんを写すつもりだったのですが、どういうわけか私も入ってしまいました。写真のピントが甘いのは、カメラマンの大平さんによれば、レンズに傷が付いていることで、光が変に屈折し、うまくピントが合わないのだとか。


帰宅して、いただいた「水の文化」に目を通すと、湧き水fun倶楽部の皆さんなら誰もが欲しいと思うのではないかという充実した内容。綿密に取材をされている様子が感じられ、丁寧な編集ときれいな写真・挿絵が心をくすぐります。
バックナンバーはこちら↓
http://www.mizu.gr.jp/fudoki/

今回ご連絡いただいたのも日本経済新聞さんに記事にしていただいたことがきっかけのようで、そのことからいろいろなつながりもできてきました。こうした出会いを大切にし、今後の活動の糧として行くことができればと思います。

前川さん、開さん、ミラーナさん、大平さん、今回は暑い中大変お疲れさまでした。その後の取材はいかがだったでしょうか。今後のご活躍を祈念しております。


7月定例会

2017年07月17日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 15:50 Comments( 0 ) 定例会
7月15日は、7月の定例会が行われました。今月のテーマは「名水点て」。

裏千家のお茶の先生でもある上原さんが、お茶を点ててくださいます。


お茶だけでなく、お花も生けてくださり、お花の意味、色紙に書かれた字の意味などを丁寧に解説してくださいました。

まずは、冷水を一人づつ振る舞っていただいだあと、いよいよお茶を点ててくださいます。
お茶の心得がない人たちにとっては、お茶というととても堅苦しく緊張してしまうものですが、気楽なお茶会として楽しめるよう、初心者にもわかりやすくお茶の作法などを丁寧に解説してくださいました。

お茶会開始前に、会員の皆さんで折った笹舟に見立てた折り紙の上にお菓子を載せていただきます。


お茶会のあとは、昨年の夏彗星のごとく現れたスーパー小学生、伊織君が再び登場。
琉球新報のサイエンスクラブで、水辺の生き物についての研究をしたいが、研究方法についてみなさんからもアドバイスをいただきたい、というものです。
まず、戦争当時、避難した300人全員が助かったという新城(アラグスク)ガーの話を聞き、とてもすごいカーだと思ったことで、こうしたカーのことをもっと知りたいと思ったことなどがこの研究を始めるきっかけとなったとの話がありました。このあと、伊織君が実際に新城ガーを訪れたときの動画が紹介され、皆さん興味津々。新城ガーは、普天間基地の中にあって、普段、一般の人は立ち入ることができないのです。


どこのカーへ行き、どんなことをどのようにして調べるのか、という計画を見せてもらいましたが、大人も顔負けの綿密な計画ぶりです。
そして、それぞれのカーで、透明度や生き物を調べたいが、CODのパックテストをやった方がいいのかどうかについて、アドバイスをいただきたい、というものでした。ちなみに、「COD」とは、『日本語で「化学的酸素要求量」といい、水質分析の一指標。資料水中の有機物を酸化してその際使われる酸化剤の消費量で、グロースに有機物の量を推定する。酸化剤としては過マンガン酸カリウムや重クロム酸カリウムが使われる。きれいな水で1~3ppm、汚れた水で10ppm程度になる。』と「はてなキーワード」に書かれています。
伊織君のこの質問に対して、金城顧問から「パックテストはやった方がいいとは思うが、近隣でしかも似たような形態のカーで計測した場合、似たような結果になることが想定されるので、もう少しポイントを絞ってやった方がいいのではないか」とのアドバイスがありました。


ひととりの議題が済んだあと、皆さんから近況等の報告をいただいました。その中で、泡瀬干潟を守る活動をされている三井さんから、「付近の海域で藻が異常発生しており、埋め立て工事の影響ではないか」との報告がありました。併せて、来週の23日(日)午後2時から沖縄市のウミエラ館において、海勢頭豊さんの「泡瀬干潟まふっくぁコンサート」があるのでお時間のある方はぜひ、とのPRがありました。


この日は、定例会に初めて参加された方がお二人いらっしゃいました。まずこちらは賀川さん。賀川さんは水循環研究所の代表で水循環に関する研究をされている方です。賀川さんは他にも「おきなわ環境クラブ理事」「沖縄・島水研究会 事務局長」「一級建築士」などなど非常に多彩な活躍をされている方です。

そして、宮城さん(古い写真で申し訳ありません)。宮城さんは、一昨年の「湧き水カルタ大会」に参加されたことをきっかけに、昨年はぐし代表の本出版に際して、ご自身がパーソナリティを務めるFMなんじょうの番組にお招きいただきました。温泉ソムリエなどの肩書きも持つ、賀川さんに負けず劣らずの多彩な活躍をされている方です。

お二人とも今後会員として活動に参加していだけるとのことで、一層パワーアップした湧き水fun倶楽部。今後の活動内容がよりよいものになっていきそうです。