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3月定例会(グスクとカー:読谷村座喜味編)

2021年03月14日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 20:08 Comments( 1 ) 勉強会 定例会
3月13日は、久々の定例会が行われました。この日のテーマは、3回目の企画となる「グスクとカー」として、座喜味グスク周辺の散策・勉強会です。(第1回目は、恩納村山田グスク:2017年4月開催。第2回目は、南城市富里:2019年4月開催。)また、「浦添市市民の学び応援講座」の今年度第3回目でもあります。そしてこの日は、先週7日の「ウチナー紀聞」をきっかけにご連絡をいただいた棚原さんにもご参加いただきました。
座喜味グスクは、かの護佐丸公が1420年頃から1440年頃まで居城したグスクとして知られていますが、グスクの内部にカーの痕跡がないことでも知られ、いざ有事となった際の水の確保はどうしていたのだろうか、という謎が解明されていません。今回の勉強会で何かヒントが見つかるのでしょうか。


この日の講師は、琉球大学風樹館学芸員であり、琉球大学を中心とした「水の環プロジェクト」で以前から湧き水fun倶楽部とお付き合いのある島袋さんにお願いしました。島袋さんは、座喜味生まれの座喜味育ちなのだそうです。

事前に立派な資料3点セットをご用意いただき、


島袋さんが製作された地図などを元に、グスクと集落の人々との関わりはあまりなかったこと、昔話や伝説にグスクに関するものがないこと、グスクの築城にあたっては与論から人々が連れてこられたこと、グスクの周辺を川に囲まれており水に恵まれていたことから農業が盛んで、小さな集落の割には豊かであったこと、などを学びます。
2つ用意されたコースの中から、グスクのほぼ東に位置するウェーガーを訪れるコースに決定し、早速出発します。

ユンタンザミュージアムのわき道から森の中へ入っていきます。読谷村は様々な土壌が混じっており、沖縄本島北部と同じような植生も見られるのだそうです。また、祭祀場のことを北部では「神アサギ、神アシャギ」、中南部では「殿(とぅん)」と呼び方が異なるものの読谷ではどちらも使うことがあるそうで、そうしたことが「読谷は北部か、中南部か」という議論の要因にもなっているそうです。


確かに、やんばるの森のようでもありますが、少し異なるような気もします。


山道を歩くこと数百メートル、グスクの城主専用であったと言われる「ウェーガー」に着きました。ここは神聖なカーで、はしかにかかったときにここの水で水撫でをすると早く治ると言われていたそうです。このカーは、案内板やガイドマップにも場所に関する詳しい記載がなく、足元も悪いことが多いため、たどり着くのが難しいこともあるそうです。また、この名前の由来は、護佐丸公が今帰仁村に由縁があることから、今帰仁のウェーガー(親川)にちなんで名づけられた可能性もあるとのこと。「言われてみれば、今帰仁のカーに似ているかも知れない」との声もありました。

今もわずかですが、清らかな水が湧き出ています。護佐丸公自らが水を汲みに来ることはなかったのでしょうが、その当時からこのカーが存在していたことを思うと感慨深いものがあります。



森を抜けると、休憩所がありそこで一休みです。

ここで島袋さんから、「豆と藁と炭」という座喜味の民話の紹介がありました。これは、「そら豆の口がなぜ黒いのか」という座喜味に伝わる民話で、島袋さんの曾祖父である島袋亀次郎さんから聞き取ったものだそうです。そして、読谷村史編集室のHPでは亀次郎さんの肉声も聴けるというお話をお聞きしました。島袋さんの軽妙な語り口についつい引き込まれ、私達の話はムーチー作りにも発展しました。親から子へ、姑から嫁へ、と受け継がれてきたはずの各家庭の味・伝統の味が、買ってきて済まされている現状にまで話が及び、語り継いでいくこと、受け継いでいくことの大切さを痛感させられました。
亀次郎さんの肉声はこちら。
↓  ↓  ↓  ↓
https://yomitan-sonsi.jp/story/aza_m/zakimi/


森から戻ったあとは、グスク内部の見学です。

このグスクの特徴として、国頭マージという地盤の弱いところに建てられているため、城壁がかなり厚みがあることが説明されました。また、門の天井にクサビ石が打ち込まれており、これは他のグスクでは見られないことなのだそうです。

座喜味グスクは、外見の美しさとは裏腹に、軍事要塞としての機能にも優れていたようで、そうしたことが、このグスクの魅力を引き立てているように思います。また、様々な資料にも乏しく、グスクのみならず、護佐丸公が中城グスクに居を移した後、この集落ではどんな人々がどんなことをしていたのかということも記録がないとのこと。結局この日の勉強会では「水の確保」の謎は解けませんでした。永遠の歴史ロマンとして語り継がれていくのでしょうか。

予定時刻の12時ころ、グスク城壁からの雄大な風景を眺め、この日の散策・勉強会の日程はすべて終了です。この日、講師を勤めてくださった島袋さん、本当にありがとうございます。心よりの感謝を申し上げます。




ごや副代表のテレビ出演(ウチナー紀聞)

2021年03月07日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 20:36 Comments( 0 ) その他
今日3月7日は、RBC「ウチナー紀聞」にごや副代表が出演しました。
番組は「マチと樋川の物語」と題したテーマで、ごや副代表が湧き水の魅力について語りました。(以下の写真はすべて番組の映像を利用させていただいています。)

番組のレポーターは、ラジオ沖縄などでご活躍の川満アンリさん。
番組では、首里儀保町にある「宝口樋川」や、那覇市天久の「崎樋川(サチヒージャー)」「坂中樋川(フィラナカヒージャー)」、北谷町の「ウーチヌカー」、北中城村の荻堂大城樋川群が紹介され、「宝口樋川」は「琉球紙」造りにとても適した水であることや、「ウーチヌカー」は付近の出土品などから約6000年前から利用されていたと考えられ、沖縄最古のものであろうことなどが紹介されました。琉球紙は、水の質によって出来上がりが左右されるそうで、宝口樋川の水は質のいい紙ができあがるのだそうです。

この番組の中でごや副代表は、湧き水の魅力について、

①この場所でどんなことをしていたのだろうかと空想し、昔の暮らしの跡を見つける
②大きな災害があったときの水源としての確認
③湧き水に残る歴史や伝説を親子などで散歩しながら楽しむ
の3つをあげ、湧き水への想いを語りました。

また、荻堂大城では、以前の忘年会湧き水バスツアーで案内をして下さった大城花咲爺会の外間裕さんも出演されていて、お元気そうな姿を拝見することができました。




南城市のカーをめぐる

2021年03月07日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 14:29 Comments( 0 ) 湧き水散歩
先日、南城市を訪れる機会があったので、カーめぐりをしてきました。

まず最初に訪れたのは、玉城船越にある「船越大川(ふなこしうっかー)」。200年以上昔に作られたものと思われるそうです。

水量は豊富なのですが、

樋から水は出ていません。きっと、下の水溜めのところから湧き出ているのでしょう。


次は奥武島の「西ガー(いりがー)」です。奥武橋を渡ってすぐ正面右手に見える仲本鮮魚てんぷら店のすぐ横にあります。

中を覗いてみると、残念ながら、ゴミがたくさん浮いています。ちゃんと柵がされているので、無理やり押し込んだとしか思えません。

その「西ガー」から数十mほどのところにある「産井戸(うぶがー)」に行ってみると、お近くにお住まいと思われる方がいらっしゃいました。

声をかけてみると、「ウガンブトゥチで一年間の感謝を伝えに来た」とのことでお供え物も持参されていました。後ろ姿なら、と許可をいただき撮影させていただきました。こちらは以前、青年会の皆さんが若水を汲んで地域の方たちにお届けする姿を拝見させていただいたので、そのことも尋ねてみると、今も続いているとのことでした。




上の3枚は、2007年の旧正月に若水を汲みに集まった青年会の皆さんと、各家庭に配られた若水。時間は午前5時ころです。電気の点ているご家庭には直接手渡し、いらっしゃらないご家庭には玄関前などに置いてまわります。


知念志喜屋の「親川(えーがー)」は残念ながら涸れてしまったようです。

上の写真は、2007年の「親川」です。雨季になれば水量が戻ることがあるのでしょうか。そうあってほしいです。


こちらは「親川」から少し上ったところにある「カンチャ大川(かんちゃうっかー)」。

近くにお住いのoさんにお聞きすると、「子どものころは泳げるくらい水量があった」、とのこと。その方の年齢から考えると、昭和40年代半ばくらいでしょうか。しかし今ではほんの10cmほど。

そうは言っても、イモリもたくさん泳ぐ清らかな水。付近で栽培されているクレソンの生育にも欠かせないものであるはずなのでいつまでも大切に残していただきたいと思います。


こちらは「具志堅の樋川」です。昭和4年の完成だそうです。

水量はさほどありませんが、涸れることなくしっかりと湧き出ています。

今回初めて気づいたのですが、注ぎ口は3か所ではなく、4か所でした。

カーの前の花木もきれいに手入れがされていて、落ち着く雰囲気です。



具志堅の樋川から少し山の方に入ったところにある「知念大川(ちねんうっかー)」。
数年前になんじょう市民大学が主催した「かーオブザイヤー」でも訪れたカーで、琉球国王が自ら参拝する聖地だったとのこと。

中を覗いてみると、残念ながら少し淀んでいるようです。今は特段活用もされていない様子でした。

これは2018年、かーオブザイヤーの写真です。このときは、「気ままにロハススタイル」の取材もありました。



そして、国道331号からわずかに中に入ったところにある「ウフミチガー」。
大きな道のそばにあることからついた名前のようです。

こちらも少し濁っているような水でした。



最後は、帰り道で偶然見つけた佐敷手登根にある「名幸井(なこうがー)」。
樹木が生い茂って、まるで大きな植木鉢のようで、これはこれでおもしろいと思いました。

この日は天気もよく、とても気持ちのいいカー巡りでした。
姿かたちを変えてしまったカーもあるようですが、由緒ある素敵なところばかりですので、時間を見つけてほっと一息つきに訪れるのもいいかも知れません。ただし、「カンチャ大川」や「知念大川」は国道から少し入るため少しわかりにくく、道の細いところもありますので、地域の方々の往来に支障をきたさないよう充分気をつけてください。
















首里城お水取り行事2020

2020年12月31日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 22:35 Comments( 0 ) 湧き水に関する行事
2020年の首里城お水取り行儀が12月27日(日)に行われました。
2020お水取り01 
今年はコロナ感染拡大予防のため、簡素化されての実施でしたが、澤岻樋川には20人ほどの人が集まり、管理者の玉城さんがお水取りの簡単な説明をされていました。
2020お水取り2
その後、玉城さんは周囲に生えているカヤを刈り取り、サンを作って、皆さんに配ってくれました。
2020お水取り3
2020お水取り4-2

お水は管理者の玉城さんが汲み、壺の中に納めました。仲西小学校の5年生の女の子ふたりが後で、お水取りを見守ります。
その後、このふたりの女の子が、「風気(ふうち)げぇし」~コロナウィルスとたたかう」を方言でお話してくれました。
沖縄の言葉で「サン」と呼ばれる魔除けでコロナウィルスを追い払おうという内容でとてもコミカルで楽しいお話でした。先ほど配られたサンで、参加者の皆さんも一緒に風気げぇしをしました。
2020お水取り5
お水取りの後、お水を頂きました。
2020お水取り6
毎年恒例の御神酒も頂きました。お正月にいただきたいと思います。
2020お水取り7
御水は首里城円覚寺に運ばれ、辺戸大川の御水と共に奉納されます。
2020お水取り8
本来ならば、「二水献じ」とおもろにも記載されているように、二つの水は別々のまま王様へ献上されるそうです。
現在の儀式では合水して首里城へ展示されるようです。
今年のお水取りは、コロナの終息、首里城の復興、皆さんの健康を願って行われました。
お正月には首里杜館に展示されますので、お立ち寄りの際にぜひご覧ください。
2020お水取り9
実際に王様に献上された当時には、途中で水の入った壺を開けることはなかったはずだ、と関係者の方はおっしゃっていました。
確かに、別々に献上するから「二水献じ」なのだという話は納得がいくものでした。
歴史に基づいた行事のあり方もこれから改めて検討されることを願いたいと思います。

昨年は首里城の火災でお水取りの開催も危ぶまれましたが、やはり今年と同様、簡素化されてお水取り行事は実施されました。
去年、今年と様々な困難の中でも関係者の皆さんがお水取り行事を続けたいという思い一心に実施されていることに感動を覚えます。
どんな形でも続けていくこと、そして、澤岻樋川で子ども達が参加してくれたことに希望が見えます。
ぜひこれからもこの行事が続けていけますことを私達も願い、見守りたいと思っています。

今年ももう少しで終わります。
どうぞ皆様よいお年をお迎えください。

追伸:お正月に首里城を訪れました。このように展示されていました。
2021首里城お水
2021首里城お水説明








11月定例会

2020年12月05日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 17:20 Comments( 0 ) 勉強会 定例会
 11月21日は、定例会が行われました。この日の定例会は「浦添市市民の学び応援講座」の2回目として、先月に引き続き「PFAS汚染から市民の生命を守る連絡会」の共同代表をつとめる伊波義安先生を講師にお招きし、嘉手納町を中心とした視察会です。この日は、湧き水fun倶楽部のみならず、うるま九条の会や沖縄国際大学からも参加があり、先生も含めて10名となりました。PFASとは、有機フッ素化合物のことで、発がん性などの危険性があり、環境中でほとんど分解せず生物中に残留するなどの危険性が指摘されているため、これらの物質が検出された河川や井戸などを訪ね歩くこととしました。


午前9時に嘉手納の道の駅に集合し、今日のスケジュールの説明などを受けて、出発です。



まず訪れたのは、「屋良のウブガー(産川)」です。沖縄県企業局や沖縄県環境部によるPFASの分析結果は(以下の分析結果はすべて沖縄県企業局などによるもの。)、一昨年2100ppt、昨年1400pptでした。【1pptとは1兆分の1で、1ng/ℓと同じ。】

入口にある説明板の下にこの水を飲まないようにとの注意書きが付け加えられ、

湧き口横にもこのような立て札が設置されていました。


転落防止の蓋を外してみると、一見澄んでいてとてもきれいな水に見えます。
屋良ウブガーに隣接するように比謝川取水ポンプ場があり、ここの分析結果は、一昨年は608ppt、昨年は213pptでした。ここでは一日当たり17000t~20000tほどが取水され、北谷浄水場へ送られます。

北谷浄水場の水は北谷町や沖縄市をはじめ、那覇や浦添など7市町45万人に送られます。該当地域にお住まいの方々は「ここの水を飲んでいるんだね~」と複雑な表情を浮かべます。

次に訪れたのは「屋良ヒージャーガー」です。こちらの検出結果は一昨年は1700ppt、昨年は1300pptでした。こちらも一見すると澄んでとてもきれいな水に見えます。

昔は、渡具知の港から山原船が直接入ってくるほど豊富な水量があったのだそうです。



こちらの「屋良シリーガー」の検出結果は一昨年は980ppt、昨年は830pptでした。
検出結果の数値に差はあれど、一昨年の数値から昨年は改善されていることに関して「我々が企業局などと交渉している成果」であると伊波先生は見ています。また、嘉手納井戸群も23か所のうち6か所からの取水に留まっていることについても、企業局は相当深刻に考えているのではないか、とのことでした。

倉敷ダムでのランチのあとは、「倉敷環境(ごみ山新山)」の方向を眺めます。ここの検出結果は3700pptと他を圧倒する汚染濃度の高さでした。ここにはベトナム戦争当時の廃棄物も埋められているそうで、何が埋められているのかは不明だそうです。ちなみにこの倉敷ダムのそばには知花弾薬庫があり、これら周辺の水もダムに注がれているであろうとのことです。その倉敷ダムからあふれ出た水は与那原川となり、比謝川と合流することになります。この与那原川にはゴミ焼却場周辺からも水が流れ込むのだそうです。

ここは、与那原川と比謝川の合流地点です。

これは、嘉手納基地に沿って流れている大工廻川(だくじゃくがわ)で、検出結果は一昨年は1124ppt、昨年は1133pptでした。


そしてこちらは嘉手納町水釜のとある民家にお邪魔しました。こちらの井戸は今は使用していないそうですが、深さが13mあるそうで、美しい佇まいを残しています。こちらの検出結果は一昨年2000ppt、昨年は1800pptでした。

伊波先生の考察によっても、この地域でこれほどの高い数値が検出される理由がわからないそうです。


最後は、国道58号沿いにある「長田川取水ポンプ場」へと行きます。ここの検出結果は一昨年684ppt、昨年は172pptでした。
朝9時からスタートした視察会は、15時ころ、この場所で終了となりました。私達のために長時間お付き合い下さった伊波先生に心より感謝申し上げます。

PFASの毒性については、詳しいことがわかっていないことから、日本では「わからないから安全」という立場をとっている反面、欧米などでは「安全とわかるまでは危険」という認識が主流になっているのだそうです。名護、石川、西原の浄水場では、原水、浄水ともに1ppt以下であるにもかかわらず、比謝川などから取水している北谷浄水場の分析結果は原水で一昨年72ppt、昨年は47pptでした。これら汚染の原因は基地由来であるとされていますが、詳細なことはわかりません。沖縄県企業局などの分析結果では、ほとんどの地点で改善していることから、声をあげることの必要性があると考えられます。また、ゴミ処理場付近での数値が高いとのことについては、ゴミ処理場を非難するのではなく、人間の活動によって排出されたものであることを認識して考えて廃棄すること、足元のこと、地下で何が起きているのかを考えることも必要であると感じました。



10月定例会

2020年11月21日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 20:16 Comments( 0 ) 勉強会
コロナ対策(三密を避け、マスクの着用、消毒、換気)の上、今年度初めての勉強会を浦添市のハーモニーセンターで行いました。
ハーモニーセンターコロナ対策
大きな窓に吹き抜けの会場、各テーブルに飛沫防止シートも準備されており、会員同士距離をとって座り、安心して勉強会をすることができました。
伊波先生1
今回のテーマは、「PFASについての基礎知識を学ぶ」
講師にPFAS汚染から市民の生命を守る連絡会の共同代表をつとめる伊波義安先生をお迎えしました。
伊波先生3
昨年に続き、浦添市市民の学び応援講座を活用し、今年度のテーマのひとつとして、近年話題になっているピーホスの湧き水の汚染について学び、現場を視察するプログラムを伊波先生にお願いいたしました。
 まずは、PFASとは何か?を化学記号を用いて説明してくださいました。
 PFASとは、有機フッ素化合物の略称で、1940年代に開発され、世界中で様々な用途に使われており、その種類は3,500~5,000種ほどあるといわれています。身近なものでは、テフロン加工のナベ、防水処理された靴、衣類、傘、カーペット、撥水処理されたピザの箱やファストフードの包装紙、油圧用作動油、潤滑油の添加剤、塗料用添加剤ほか、生活の一部になっているものがほとんどで、近年、問題になっている泡消火剤にも含まれています。
 性質としては、界面活性効果を有し、安定性があり、分解が難しく、生命体内や自然環境中に長く残留・蓄積されることから「永遠の化学物質(フォーエバーケミカル)と呼ばれているそうです。
 人体への影響としては、発がん性、胎児や乳児の発達障害、コレステロール値の上昇が指摘されているとのことです。
 11月の定例会は、実際に嘉手納の井戸や湧き水、川で測定されたPFASの数値が高い現場を実際に伊波先生に案内してもらうことになっています。


浦添市役所1階パネル展

2020年10月11日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 20:28 Comments( 0 ) 浦添市
浦添市役所1階で浦添市ハーモニーセンターパネル展が行われています。
うらそえしまちづくりパネル展
ハーモニーセンターに団体登録している市民協働のまちづくりの活動をしている団体のパネルが展示されています。
ハーモニーセンターとは
先月より、湧き水fun倶楽部も登録、活動しているということで、パネルの展示を行っています。
湧き水fun倶楽部パネル01
11月9日までの展示となっているそうです。
お近くにお立ち寄りの際は、ぜひ、ご覧ください。


9月定例会

2020年09月20日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 15:52 Comments( 0 ) 定例会
9月19日は、浦添市ハーモニーセンターで9月定例会が開催されました。3月21日の定例会以降、新型コロナの感染拡大により定例会等一切の集まりが中止を余儀なくされていましたので、顔を合わせるのは実に半年ぶりとなります。

今回の議題は、①2019年度の決算報告と2020年度の予算案、②今年度後半の活動計画について、③結成10周年の記念事業について、等、ぐし代表から説明・提案があり、ピーフォス(有機フッ素化合物)に関する勉強会などの計画を組み入れることとしました。一通り議論が済んであとは、この半年間の出来事など、皆さんで近況報告を行いました。

今回、会場としてお借りしたハーモニーセンターでは、テーブルの真ん中にパーテーションが設置され、入り口での手の消毒、会場使用後も消毒するなど、感染拡大防止を充分に行ったと思います。
今後のコロナの状況次第では活動にも再び影響が出ることが考えられ先行き不透明ではあります。定例会等が開催される場合も、体調が悪い場合は参加を見合わせるなどの感染予防対策をしっかりととっていただくようお願いします。


湧き水fun倶楽部冊子(湧き水マップ)配布

2020年04月04日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 21:35 Comments( 0 ) 水の環プロジェクト
去年の11月に、琉球大学 水の環プロジェクトの予算で作成しました湧き水fun倶楽部の冊子が、琉球大学 水の環でつなげる南の島のくらしのHPよりダウンロードできるようになりました!
wakimizupannhuhyousi

この中に、沖縄本島内にある比較的行きやすい湧き水を10か所選んだマップがあり、春休みに向けての情報提供になるのではということで実現しました。
okinawawakimizuserekuto10

配布用のマップも那覇市おもろまちにある上下水道局(みずプラッサ)、那覇市牧志駅前ほしぞら公民館、首里公民館、浦添市役所、八重瀬町役場、南城市役所、北谷町上下水道局、名護市役所などでも配布してもらえるようお願いしてきました。(数に限りがあります)


3月31日に琉球新報、4月1日に沖縄タイムスでも紹介して頂きました。

コロナウイルスの感染予防で、なかなか外でも遊べず春休みを迎えているお子さんたちのために親子で訪ねてほしいとの思いで実施いたしましたが、4月に入り感染拡大の兆候もみられますので、外出は控えるほうがよいのかとも思います。

この状況が収束した時にでも活用して頂けたら幸いです。


3月定例会~水の環プロジェクト3年間の総括

2020年03月25日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 18:39 Comments( 0 ) 水の環プロジェクト
3月21日は、沖縄県環境科学センターで3月の定例会が開催されました。今回は、3年間関わりを持たせていただいた「水の環プロジェクト」で中心的役割を担って来られた琉球大学の新城先生をはじめ、高橋先生、風樹館の島袋さんにもご参加いただきました。

会の冒頭、新城先生からこの3年間の総括と今後の展望についてお話をいただきました。
この3年間は、「水の環でつなげる南の島のくらし」と題し、沖縄特有の水に関する地域課題について、行政、地域住民、研究者が対話と協調により問題解決を目指してきました。湧き水fun倶楽部は、一市民団体として水循環ワークショップなどの参加させていただき、「みずのわ教室」への講師派遣なども行いました。次年度以降は、これまでの活動成果を継承・発展させながら「基礎研究・未来社会創造・国際展開」などを目指し、将来的には、SDGsへの科学的貢献、国際島しょサスティナビリティ研究所(仮称)の創設、共通課題を持つアジア太平洋島しょ地域とのネットワークの構築を目指すとのことです。

この3年間の反省としては、水質の分析を行ったものの、その結果についてなぜそうなるのか、それをどう考えるのか、にまでつなげられなかったことなどが挙げられました。

研究者として社会的な貢献をしたいという水の環プロジェクトの主旨に、湧き水fun倶楽部は賛同し、3年間多くの学びを得た私達もそれぞれ感じたことや学んだことなど感想をお話しました。

水質をよくするためにもっと一緒にできることがあったのではないか、という方や、今までただきれいだという気持ちでみていた湧き水の水質がとても気になるようになり、自分の住んでいる所の湧き水に更に深く興味をもった方、海の活動をしている会員からも一緒に海中の湧水を観察することができ、専門的な研究にふれることができてよかったなど3年間の成果、そして課題を振り返りました。

更に水の環プロジェクトの予算で作った「湧き水fun倶楽部」の冊子がまだ1000部ほど手元にあり、その中には比較的でかけやすくおススメの沖縄本島内湧き水10か所を紹介したマップが掲載されているので、それを春休みに親子で湧き水を楽しんでもらえるように配布できないかという提案がぐし代表からありました。
saiennsuagora09
ただ限られた数なのでどこに配布しようかと相談したところ、琉球大学水の環プロジェクトのホームページからダウンロードしてもらえると、多くの人たちに利用してもらえるのではという話に展開しました。
okinawawakimizuserekuto10

コロナウイルスの流行で、狭い空間での活動に制限がある中、自然の中で水にふれ、子どもも大人も元気に過ごしてほしい。そんな願いをこめて、この冊子が利用できればということで、早速、配布、ネットへのリンク、新聞社への取材のお願いなど、できることをできる人が分担し、春休み最初の週末にむけて活動することになりました。

また、詳細が決まればご報告したいと思います。



「琉球史の謎解き~正史に隠された真実」~学び応援講座(第5回目)

2020年02月24日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 15:50 Comments( 0 ) 勉強会
2月15日は、沖縄県環境科学センターにて「浦添市市民の学び応援講座(第5回目)」が開催されました。
この日は、沖縄史教育や平和教育などをご専門とされる沖縄大学客員教授の新城俊昭先生を講師にお招きしました。
講演に先立ち、先月のお茶会でお菓子を用意できなかったからということで上原さんから改めてお菓子の提供がありました。

お菓子をありがたくいただいた後、新城先生の講演の始まりです。


新城先生から「琉球史の謎解き~正史に隠された真実」と題した講演の冒頭で、

「汝の立つところを深く掘れ そこには泉あり」というニーチェの言葉が紹介されました。沖縄県における高校入試の社会科で、最も低い正答率が沖縄の文化に関する問題だったのだそうで、琉球・沖縄史を学ぶ意義や実態が子ども達に教えられていないことに対しての強い危機感から、足元を学ぶことの大事さを熱く語っておられました。

講演の中心は、琉球王国時代の第一尚氏~第二尚氏時代に遡ります。

琉球王国の時代、中国から来た冊封使には「その地域の水を称える」という儀式があったそうで、首里城内にある「龍樋」は「中山第一(琉球で一番おいしいお水という意味)」と称えられ、朝夕の2回、那覇にある「天使館」(冊封使のための宿舎・施設)に届けられたのだそうです。那覇市樋川にある「汪樋川」は龍樋の次においしいお水だと称えられたそうです。

また、識名園にある育徳泉には「甘醴延齢」と称えられたということです。
こうした儀式は、水は命とかかわるとても大切なものであることから、そうしたことから称えたのだろう、ということです。


講演の中で新城先生は先の首里城の火災を例に挙げ、「今回の火災は5回目であり、1453年の「尚布里・志魯の乱」における焼失が1回目である」という「定説」について、様々な疑問点があることが紹介されました。
「尚布里・志魯」の乱とは、第一尚氏時代の第5代国王である尚金福が亡くなった際、金福の弟である布里と、金福の子である志魯による権力争いのことで、この乱により首里城は焼失し、両者とも命を落としたとされるものです。結果、第6代国王には布里の弟である尚泰久が即位することになります。

私達が昨年4月に開催した「グスクとカーを巡る~南城市富里編」の街まーいでは、尚布里の墓と言われる場所を訪れ、そこには「布里・志魯の両者とも亡くなったとされているが、布里は生き延びて各地を転々としたのちに1463年にで亡くなった」と記されていました。

「布里・志魯の乱」から11年後に亡くなったことになります。生き延びた布里が第6代の国王にならなかったのは、この乱で首里城が焼失してしまい、大事な印鑑が溶けてなくなってしまったために、その責任から逃れるために各地を転々としたとのことです。

この「布里・志魯の乱」による首里城の焼失については、尚泰久からの奉文や、明朝の正史である「明史」、冊封の正史である「中山沿革史」、そして、琉球最初の正史である「中山世鑑」(1650年:羽地朝秀)と、のちの「中山世譜」(1701年:蔡鐸)には「府庫を焚焼し(重要な倉庫が炎上)」としか記されていないものが、蔡温によって改訂された「中山世譜」(1725年:蔡温)には「満城火起こり府庫が焚焼(首里城が全焼し重要な倉庫も炎上)」と記されているのだそうで、「球陽」(1745年:鄭秉哲)もこれを踏襲しているとのことです。また、「球陽」や「琉球国由来記」にも首里城が再建されたとの記述がないことや、これらの記録に記載されている人物の年齢や系図にも異なる部分が多くあり、これらについても疑問が示されました。
こうした正史と呼ばれる記述の中には多くの疑問点や矛盾点があり、これらを突き詰めていくと「布里・志魯の乱による首里城の焼失」そのものがなかったのではないか、という見方が最近の学者の意見になりつつあるそうです。
異なる記述があることについて、どちらが真実なのか、ということではなく、こうした違いがなぜ生じたのか、その歴史的背景と考えながら探っていくと楽しいかも知れません。今となっては、決定的な証拠でも出てこない限り、どれが真実なのかなど確かめようがないのですから。


新城先生は別の一面をお持ちで、「涙そうそう」のうちなーぐちバージョンを作詞された方でもあるとのことで、講演の前後に流させていただきました。この曲は、ビギンの島唄「オモトタケオ」に収録されていますので、ご興味のある方はぜひ。



1月定例会と「浦添市市民の学び応援講座(第4回目)」

2020年01月25日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 17:29 Comments( 0 ) 定例会
1月18日は、環境科学センターにて、湧き水fun倶楽部の1月定例会が開催されました。
この日の内容は、お茶の先生である上原さんによるお茶会と、「浦添市市民の学び応援講座」第4回目として金城まみ子先生によるフルートの演奏会です。


まずは、色紙に書かれている言葉「瑞気満高堂」は「ずいきこうどうにみつ」と読み、「瑞気(めでたい気)が、高堂(茶室)に満ちている」という意味であること、お茶の聖地とも言われている大徳寺(京都市)の和尚さんによる書であることの説明がありました。また活けてあるお花は、「結びやなぎ」と言い、旅立つ人との再会を期し、柳と柳を結び合わせたものなのだそうです。椿と梅の控えめな花がとても美しく感じられます。またこの日、足をお怪我されていたにもかかわらず、凛としてお茶を点て続けた上原さんのお姿に敬服いたします。

参加の皆さん全員がお点前を頂戴したあとは、金城先生によるフルートの演奏会です。

この日は、【お正月】【クラシック】【水】【うた】の4つのテーマで演奏してくださるとのことです。その前に、フルートは、金管楽器ではなく木管楽器であり、リコーダーが先祖にあたること、などを学びます。

【お正月】のテーマからは「春の海」「さくら」がメドレーで演奏されます。フルートが「和」の曲に全く違和感がないことに驚きました。
【クラシック】と【水】のテーマからは、「カノン(パッヘルベル)」「シリンクス(ドビュッシー)」「童神」「川の流れのように」「パートオブユアワールド(リトルマーメイドより)」「let it go(「アナと雪の女王」より)」が演奏されました。
「シリンクス」はドビュッシーの作曲による無伴奏フルート曲で、フルート奏者の多くがこの曲に接するとのことです。
この曲には、「半獣神パンがニンフ(精霊)のシランクスに恋するが、シランクスは川岸で逃げ場を失い、水辺の妖精に祈って葦に姿を変えてしまった。嘆き悲しんだパンはその葦から笛を作った」という物語があるそうです。水の揺らぎを感じるような曲でした。
【うた】のテーマからは、イタリア歌曲のメドレーです。「帰れソレントへ」「サンタルチア」「オーソレミオ」といった日本人にとってなじみのあるカンツォーネがメドレーで演奏されました。

その後、湧き水fun倶楽部が誇るテノール歌手、三井さんと「サンタルチア」の夢のジョイントです。声の不調を訴えていた三井さんですが、どうしてどうして、迫力ある歌声を披露してくださいました。
このあと、アンコールで「ガボット(ゴセット)」「情熱大陸(葉加瀬太郎)」の演奏をもって演奏会はお開きとなりました。


またこの日は、昨年第一子が誕生した野原さんご夫妻がご長男同伴での参加だったこともあり、金城先生もときどきご機嫌を窺うように表情を覗き込みますが、とても落ち着いた表情で聞き入っていたようです。

有志のみなさんからのお祝いをお渡ししたのち、渡邉からこの1年間の活動を報告を行い、

ごや副代表が金城先生へのお礼の言葉を述べ、1月定例会は終了となりました。

この日、演奏会の依頼を快く引き受けてくださった金城先生、本当にありがとうございます。今後のますますのご活躍を祈念しております。








2019年その他の活動

2019年12月31日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 21:28 Comments( 0 )
2019年もいよいよ今日で終わりです。
湧き水fun倶楽部の活動報告にいくつか記録の為にも記事として残したいものを付け加えたいと思います。

まずは6月29日(土)に国立劇場おきなわで行われた 組踊『花売りの縁』の第一部琉球舞踊「水辺の風景」の中で、代表のぐしともこが湧き水のお話をさせていただきました。
国立劇場おきなわ
これは、昨年の6月に予定されていた演目でしたが、台風のため中止になり、制作者の方の思いから翌年実現された1年越しの企画でした。
満員御礼
当日、偶然にも梅雨明けが発表され、頂いた感想には、「夏らしく湧き水の話はよかったです」「湧き水の数が多いことを知った。沖縄の水にゆかりのある演目、しばし涼を感じました」「湧き水の音と共に各地域の湧き水の小旅行ができました」等、ご覧になったお客様からうれしいお言葉を頂きました。本当にありがとうございます。
水辺の風景
ちなみに演目は「若水」「貫花」「加那よー天川」。
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紹介した首里城お水取り行事の写真で辺戸大川の御水を汲んでいた方が「若水」を踊られていることを知り、とてもうれしく思いました。
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琉球が誇る美しい舞台芸能、とても感動の舞台でした。貴重な経験をありがとうございます。


10月16日(水)は、桜坂市民大学で行われたボーダーインクフェアの中で企画された「明日に向かって千鳥足」の第3週目にぐし代表の著書『おきなわ湧き水紀行』の筆者トークがありました。asunimukattetidoriasi
池宮城社長曰く「満員御礼」。
湧き水が好きな方が集まり、本の中から、そして、こっそり裏話まで、90分間おしゃべりしました。
sakurazakasiminndaigaku
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後半は湧き水fun倶楽部の忘年会で恒例の湧き水ビンゴゲームも開催され、参加者の皆様にお好きな湧き水を選んでもらいゲームに参加してもらいました。お二人に湧き水カルタもプレゼント!
会場にも「おきなわの湧き水カルタ」のパネルを展示してもらうと、参加者の皆さんも興味深くご覧になっていました。


最後に11月8日(金)に那覇市泊にあるかりゆしアーバンリゾートおきなわで開催された「日本水道協会九州地方支部水道関係技術研修会」で『沖縄の湧き水と防災』というテーマでお話させていただきました。
nihonnsuidoukyoukaikyuusyuutihousibu
沖縄の湧き水の数や湧き水fun倶楽部の活動の中から、湧き水に関する情報発信、そして、災害時に湧き水がどのように役立つのか、そして、湧き水をもっと身近に感じていただきたいと写真を多く使って90分お話しました。
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八重瀬町の方は、「地域の湧き水のそばに昔ながらのクムイ(池)が残っており、綱引きの際のカヌチ棒の保存に今も使っている」というお話や宮崎県の方から、「地域活動の中にぜひ湧き水のことを取り入れたい」等、感想をお話してくださった方もいらっしゃり、いい情報収集ができました。ありがとうございます。
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今年一年、お世話になりました皆様にこの場をかりてお礼を申し上げたいと思います。
ありがとうございます。
また来年もどうぞよろしくおねがいいたします。


みずのわ教室レポート

2019年12月29日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 21:40 Comments( 2 ) 活動内容
10月20日に開催されたみずのわ教室について、ごや副代表からレポートが届きましたので掲載します。

10月20日(日)、八重瀬町安里公民館で、「みずのわ教室」が行われました。
(※主催、水の環プロジェクト、安里、与座、仲座地域資源保存の会。後援、八重瀬町教育委員会生涯学習文化課)

小雨の中 地域のこども達、保護者15名程集まって頂きました。


早速桂さんからろ過キット作りの説明があり

こども達も挑戦





ろ過材→活性炭→ろ過材→砂→ろ過材→砂利と入れていきます。そして、みんなで結果を確認。


その後座学で「水のはなし」があり、地球上の陸と海の割合を地球儀ボールを使って確認しました。



更に、昔は水汲みは子どもの仕事だったということで、体験することに。。
たまたまこの日公民館にいらした地域の方に急きょお手本を見せて頂きました (ご本人は経験はないとおっしゃっていました)。


後は予め汲んであった湧き水のパックテストをしていました。
参加した藤田さん(具志頭小3年)は「水にたいして色んなことがわかった。ろ過すること、災害時の水の大切さがわかった」と話してくれました。

講座終了後は楽しく遊んでいました。

桂さんお疲れさまでした~ 。



首里城お水取り・美御水の奉納

2019年12月28日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 16:18 Comments( 0 ) 湧き水に関する行事
12月22日は、首里城お水取り行事が行われました。
お水取り行事とは、琉球開闢の聖地である安須森(アスムイ)の麓にある国頭村辺戸大川の水と、首里城から見て毎年の吉方の方位にある水を琉球国王へ若水として奉納する行事です。1998年に復活したこの行事が昨年第20回を迎えたことから、従来のような首里からの使者が水を汲み行列をなして国王へ奉納するという形式は一区切りつけ、形を変えて継続という話は聞いていました。今年は、首里城の火災もあり、この行事がどのような形で継続されていくのか不安感につつまれながらも足を運びました。

奉納行事開始時間よりも早く到着したため、先日焼失した首里城と龍樋の様子を見に行きました。

久慶門から首里城内に入るとすぐ左に一つのカーが目につきました。案内板を見ると、「寒水川樋川」(スンガーヒージャー)と記されています。

水は溜まってはいますが、樋からはぽたぽたとわずかに垂れる程度です。寒水川樋川は正殿へ入るルートから少しはずれるため、訪れる人も少なくひっそりとしていました。

そして、龍樋へ。火災の影響はないのでしょうか。寒水川樋川の水量を見ると心配ですが・・・。

健在でした。背後にネットはかけられてはいますが、水量に影響はないようです。数十メートルしか離れていない寒水川樋川と水量に大きな差があり、水脈は別々なのでしょう。水脈が複数ある方が城の防衛のためにも絶対いいはずです。

首里城内は正殿があった場所等に近づくことはできませんが、少し離れたところからであればその様子を見ることができます。まだ少し焦げたような臭いがしました。


さて前置きが長くなりましたが、奉納祭の時間が近づき、旧円覚寺総門前へ移動します。奉納開始前には、奉納祭の案内が場内に流れていました。

開始10分ほど前、「首里城から見て吉方の方位にある水」である浦添市澤岻にある澤岻樋川の御水が到着しました。「首里城から見て吉方の方位にある水」は、その年の吉方がどの方角であるかにより汲む場所が違いましたが、現在は、澤岻樋川でしか汲むことができないため、毎年ここから御水が汲まれています。

ほどなくして辺戸大川からの御水も到着し、儀式が始まります。

いつもと同じく、周辺は静寂に包まれ厳粛な空気が流れます。手を合わせている方もいらっしゃいました。琉球の繁栄と安寧に加え、今年は「首里城の再建」を願う人も多かったのでしょう。

見学に訪れた人は全体で30~40名ほどでしょうか。これまでのような行列をなしての取り組みではありませんでしたが、厳かな雰囲気はそのままに開催できたことはよかったと思います。長年この行事に中心的な役割を果たしてきたNPO法人首里まちづくり研究会事務局長の山城さんと浦添市文化協会の玉城さんお二人の笑顔が見られて安心しました。


ところで、この円覚寺総門の向こう側をご覧になった方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。向こう側を見ることができると聞いたので行ってみました。

小さな池と橋、右側には階段もありました。美しい風景です。

この日の模様が翌日のNHKで放送されましたので、その様子を少しだけ載せておきます。



祈りを捧げる山城さんと

玉城さん。
このお二人の努力なしにはこの奉納行事はここまで継続できなかったかも知れません。首里城の再建まで、当分寂しい日々は続きますが、形を変えてでもこの行事が末永く継続されていくことを祈ります。






バスで行く!今帰仁村湧き水めぐり~湧き水fun倶楽部忘年会

2019年12月23日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 12:29 Comments( 0 ) 湧き水に関する行事
12月21日は、湧き水fun倶楽部の忘年会を兼ねた湧き水めぐりで、3年間プロジェクトの一員としてとしてご指導いただきました琉球大学水の環プロジェクトの皆さんとの交流も兼ね、湧き水fun倶楽部会員の上間さんの出身地である今帰仁村へ行きました。
この日はぐし代表が体調不良により声が出ないというアクシデントに見舞われたため、この忘年会の幹事であるごや副代表と宮城さんが急遽取り仕切ることになりました。
今回の湧き水めぐりは、「浦添市市民の学び応援講座」も兼ねており、その講師として、那覇市中央公民館の前館長である古塚達朗先生をお招きしました。

古塚先生は、那覇市の教育委員会文化課でお仕事をされ、「ぶらりスージグヮー」(沖縄出版)などの著書があるほか、数年前のブラタモリにも出演された経験(当時の肩書は那覇市歴史博物館館長)の持ち主でもあります。出発してまもなく、車内で講座が始まりました。古塚先生は普段、バスの中では基本的にずっと立ってお話をされますが、高速道路ではそれは危険!ということで、座ってお話いただいています。

「井戸を作るには家一軒建つくらいのお金がかかるため、井戸のある家は大金持ちだった。ワンドゥーガー(椀胴井戸)と呼ばれるお椀をひっくり返したような形の井戸は工事の最中に崩落の危険性もあるため更に高額だった」
「ムラガーの中で一番重要と言われているのは、親川や、産水や死水を取るウブガーで、これを汚すと厳しく罰せられ戦前で約40銭の罰金が科せられた。それは今の感覚で100万円くらい取られるようなもの」
「若水汲みでは、若水の効果がなくなってしまうため、水を汲んでから家に帰るまで誰とも口をきいてはいけなかった」
など、水に関する話だけでなく、豆腐や泡盛まで多岐にわたって話が及び、皆さん目から鱗でした。

また、ブラタモリの撮影時の話もされ、「タモリさんはカメラの回っていないときでも、非常にサービス精神旺盛な人だった」「桑子アナは天然で美人で人当たりのいい人だった」など、お二人の素顔についてもお話してくださいました。


この日最初に訪れたのは、「親川(エーガー)」(今泊)です。

今帰仁城のふもと、今泊集落にあり、今も豊富な水量を誇ります。ここはかつて、今帰仁城へ行く人たちが手足を清め、喉を潤した場所なのだそうです。当時は田んぼや生活用水などに使われており、今もカー拝みは行われているのだそうです。
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くぼみのある丸い石は、当時、女性が髪を洗うのにつかったのだそうです。クチャとよばれる泥岩をそのくぼみで(今でいう洗面器のように)溶かして使っていたようです。昔の女性たちは髪が長かったので、そんなふうに洗髪したのでしょうね。

親川のあとは、「兼次ウィヌハー」(兼次)に行きました。こちらの地域は、昭和8年に水道タンクが敷設され、そのタンクと記念碑や水源地がありますが、バスが停車できなかったため、車窓からのみの見学となりましたので、以前「多良川うちなー湧き水紀行」取材時の写真を掲載します。

上の写真は2006年に当時今帰仁村歴史文化センター館長だった仲原弘哲さんに案内していただいた際の水源の写真です。国道から少し山手に入った鬱蒼とした林の中に水源があります。

そしてこちらは国道沿いにある水タンクと記念碑です。このタンクは今も現役なのだそうです。



3か所目は、「フプガー」(諸志)です。

このカーを囲む一帯は「諸志御嶽の植物群落」として国指定の文化財(天然記念物)となっています。

このクロツグ(マーニ)と呼ばれるヤシ科の植物は、聖地を示すものなのだそうです。

実際に、植物群落の中を歩いてみました。この植物群落は、「200種類以上の植物が自生しており、価値は極めて高い」(文化遺産オンライン)と記されています。


4か所目は、「ヒージャーガー」(渡喜仁)です。

ウッパマビーチの崖の下から湧き出しています。百数十段の階段を下りて行くこともできますが、運動公園を抜けて車でビーチまで行き駐車場から歩いて行くことも可能で、この日は前日が雨だったことから、車で下りることにしました。この日の水量は、ごや副代表と宮城さんが下見に来たときよりも多かったそうです。


午前中の最後は、「アスミガー」(天底)です。

ここは「シマチスジノリ」(淡水産の紅藻)が自生しているカーとして有名で、ここのシマチスジノリは県の天然記念物に指定されています。チスジノリはまさにチスジ=血筋ということで血管に似ているからなのですが、シマと付くのは、「島豆腐」や「島酒」など沖縄のものを表す意味ではなく、縞模様であることからの「シマ」なのだそうです。味は「浅草のリ」に近いものでおいしいそうですが、希少種ゆえ、口にできる可能性はないかも知れません。国の天然記念物として指定されている那覇市識名園にある育徳泉でシマチスジノリが涸れた際、このアスミガーほかからの移植も検討されたそうですが、DNAレベルで違うことも考えられるため断念した経緯があるそうです。ちなみに、育徳泉で涸れたシマチスジノリは後に自然に復活したのだそうで、どうやら生育条件が厳しくなると成長せずに小さいまま留まる傾向があるのだそうです。


昼食は「珊瑚Table」さんです。

まずは司会である三井さんから開会のあいさつを受けたのち

琉球大学の安元先生から乾杯の音頭をいただき、食事がスタートしました。

お料理は肉と魚の2種類から選び、こちらは魚のコース。フォッカッチャかライスが付きます。

そして、食後は毎年恒例となっている「湧き水ビンゴ」です。9つのマスの中に自分の好きな湧き水を入れていただきます。それがそれぞれのビンゴカードになりゲームがすすみ、福引の順番をきめるというもの。

これが古塚先生のビンゴカード。相当マニアックな名前が並び、皆をあっといわせました。古塚先生の思いのたっぷり入った湧き水の数々、よい記録となるため、許可を得て撮影させていただきました。

ゲームも終了したところで、金城顧問から古塚先生への感謝の言葉、

ぐし代表から記念品をお渡しし、昼食会は閉会となりました。

お会計を済ませて、参加された皆さんで記念撮影です。


最後に訪れたのは「ヨシトコ湧泉」(勢理客)です。

ここは今帰仁村で最も水量の多い湧泉で、上水道の水源地となっているそうです。写真中央やや左に大きな鯉が見えました。

これでこの日の見学はすべて終了し、帰路に就きます。車内では引き続き古塚先生の講座があり、その後は皆さんからそれぞれこの一年を振り返っての感想などをいただきました。


琉球大学到着後、参加された皆さんで再度記念撮影です。

講師として参加してくださった古塚先生をはじめ、バスのチャーターをしてくださった琉球大学水の環プロジェクトの皆様、参加して下さった安元先生、幹事を務めてくださったごや副代表と宮城さん、ゆいバスの運転手大城さんに厚く御礼申し上げます。


サイエンスアゴラ2019参加レポート

2019年12月16日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 13:50 Comments( 0 ) 水の環プロジェクト
報告が遅くなりましたが、11月14日(金)~16日(日)に東京お台場で行われたサイエンスアゴラに湧き水fun倶楽部6名(会員4人+特別会員2人)で参加しました。
湧き水fun倶楽部は、2016年より、琉球大学「水の環でつなげる南の島のプロジェクト」に参加させていただき、その成果発表としてご一緒させていただくという光栄な機会を与えていただきました。この場をかりて感謝申し上げます。

まず、第一陣が14日に東京入り。
第1日目は開幕セレモニーと基調講演が行われました。
参加した会員の宮城さんからのレポートです。

イエンスアゴラ2019【Human in the New Age―どんな未来を生きていく?】

パネリスト5名による講演でした。興味深かったのは、東京大学先端科学技術研究センター教授の稲見昌彦先生。
テクノロジーの技術で人間の能力を拡張するという人間拡張工学、超人スポーツなどの話でした。
VR(バーチャルリアリティー)を利用したけん玉トレーニングの研究があり、VRを通してでけん玉の練習を「ゆっくり」と、そして慣れたら「速く」という感じで練習するのです。VR上ではけん玉が「できる」という成功体験をしていきます。
そして、いざVRを外した現実世界で実践をしたらどうなったか…。
なんと!けん玉を上達した状態になっていました。VRでスキルを磨けることに驚きました。この技術はスポーツ分野で研究が進んでいます。それが超人スポーツのようです。
環境によって人間の能力を引き出す、能力とは人と環境の相互作用の中に存在するということでした。また、できなかったことができるようになる!人間の能力拡張はモチベーションのアップにつながるということをお話されていました。

他には、培養肉の研究、市場化に取り組んでいるマーストリヒト大学 教授のマーク・ポスト先生。
培養肉とは、動物細胞を培養して作るお肉のこと。肉の消費率は年々上がっていてそれに伴う需要と供給が今後難しくなる可能性があると。家畜を育てるための飼料、水、土地など環境の問題が世界的に指摘されている中で、その解決の選択肢の一つとして培養肉の研究が進んでいるということでした。AIシステムによる培養肉の生産は畜産業の重労働環境の改善にもつながるだろうということでした。個人的にお肉は好きでよく食べますので「培養肉…!?う~ん」という感じではありますが、SDGsの観点からも目を背けられないことなのだと知りました。
マーク先生は、2013年に世界で初めての培養肉バーガーを研究発表されています。写真で見たのですが、本当にハンバーガーのパテでした。「どんな味がするのだろう?」という好奇心がわきました。
近い将来、私たちの食卓に培養肉が並ぶ日が来るかもしれません、楽しみです。
科学技術の発達で私たちの暮らしは未来に向かってどんどん変化、進化していきます。その中で、私たちはどう人間としてAIと向き合って生きていくのか。それぞれのパネリストの皆さんのお話は勉強になりました。

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2日目、テレコムセンター前に集合しました。
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会場にたくさんのブースが参加しており、どれも興味深いものでしたが、まずは501の「SHARING WATER~水を配り、たくわえ、世界で利用する新しい方法」をめざすことに。
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世界で飲める水が水道水として供給されている国は案外少ないことがわかりました。
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水をキープし、移動させる方法としての新しい技術。球状の入れ物で楽に運べる方法を考えているのだそうです。
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午後はステージでの講演会を聞いてきました。
Science for peace~大型加速器が創る世界平和~
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宇宙の成り立ちをさぐり、未来へ向けて世界平和を考えるという壮大な内容。
望遠鏡はタイムマシン!遠くに見える星の姿は、時間をかけて今私達のもとに光を伝えます。
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大きな宇宙、そしてその中の小さなな小さな水の惑星。地球。そこに人類がいることも天文学的な数字の中のおそろしく小さな確率。
そんな地球に暮らす生き物が争うなんて、本当にちっぽけなつまらないことで、科学の眼でとらえてみると、私たちが進むべき、選択すべき未来は、平和にむかってみんなで協力していくこと。小さな子どもから大人まで楽しくきけるお話で、科学の偉大さを感じました。このようなイベントが身近にある子ども達は本当に幸せだと思いました。

その後は、琉大のみなさんと合流して、あすのワークショップの広報活動。ビラ配り班が集合し、会場内で明日のお知らせをしました。
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そして当日。
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湧き水fun倶楽部のパンフレット、パネル、そして特別会員の新城君の水の調査研究発表の準備から。
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準備、完了!!
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ワークショップでは、琉大 水の環プロジェクトで開発したボードゲーム「すいま~る」を通して、水について考える機会となりました。
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湧き水fun倶楽部の会員も参加しました。
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ゲーム終了後、新城君の研究発表も行われました。
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堂々とした発表に、積み重ねた研究の成果と自信があふれていました。

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最後はみんなで記念撮影。

多くの学びをお土産に湧き水fun倶楽部もまた視野を広げ、活動に関する情報、そして交流を楽しくすることができました。

関係者の皆様に心からお礼を申し上げます。
貴重な体験をありがとううございました。






10月定例会と第14回水循環ワークショップ

2019年10月20日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 21:25 Comments( 0 ) 定例会 水の環プロジェクト
10月19日は、10月の定例会が琉球大学理学部にて行われました。


今回の定例会は「第14回水循環ワークショップ2019」との合同企画です。当初予定していた、fun倶楽部会員の仲宗根さんによる研究発表が諸事情により急遽延期となってしまいました。
会の冒頭、水の環プロジェクト事務局の高橋さんから「琉球大学 水循環プロジェクトについて」と題して、

雨水の地下流出は全国的には約4.5%なのに対して沖縄では約40%もあること、


その地下水に窒素やリンなどが溶け込み海底湧水などとなってサンゴ礁に影響を与えていることなど、沖縄の地域特有の水事情について説明がありました。

その後、『どうする?日本の水道―自治・人権・公共財としての水を』と題したドキュメンタリーの上映と、水ジャーナリストでアクアスフィア水教育研究所代表の橋本淳司さんによる「日本が対処すべき3つの水問題」と題した講演がありました。


世界で水道水が飲めるのは日本を含めて9か国ほどしかないそうです。また、漏水率も格段に低く世界最高水準にある日本の水道技術ですが、人口減により水道料収入が減少していること、水道管などの老朽化、行財政改革などにより高度な技術を持った職員が減少していることなどの問題点が提起されました。

水道料金は、水供給にかかる経費を人口で割るため、人口の少ない自治体はそれだけ高額になります。その額は、ひと月あたり6000円を超えるところから1000円を下回るところまでかなり大きな開きがあるそうです。人口が減ることで多くの自治体の水道事業が赤字で、2040年には9割の自治体で大幅な水道料金の値上げが想定されるそうです。赤字運営のためインフラ整備もできず、技術職が減っていることから様々なできごとにも対処できないのだそうです。

こうした背景などから、2018年に水道法が改正され、「水道民営化」へと転換がはかられようとしていますが、海外では、民営化された水道事業を再公営化に戻した事例があることや、民営化の反対に取り組むある地域の取り組み状況などが紹介されました。水道法の改正では、「コンセッション方式」と呼ばれる官民連携が推進されることになりますが、これに対する強い懸念が示されました。

安全な水がいつでも飲める日本では「水問題はない」という意識が強いようです。水に対して安くておいしいことだけを求めていることが一番大きな問題で、どこに水源があってどのようなインフラ整備で自分たちのところに来るのか、そして、流す水がどこに行くのかをきちんと考えること、インフラを子孫に残していくために投資することが必要であり、「水は人権であり公共財である」と橋本さんは強く訴えます。

質疑では、水道事業に長くに渡って貢献されてきた金城顧問から、離島を多く抱える沖縄の水事情や、米軍基地被害による水源の汚染により沖縄県民の人権が侵害されていることなどについての問題提起や質問がありました。

金城顧問の発言に対して橋本さんや高橋さんから逆質問が飛ぶと、力が入った金城顧問が思わず立ち上がって説明する場面もありました。



会の終了後、参加した皆さんで、学食で昼食をとりました。これほどの広い敷地、とてもうらやましいです。




「水とおもろのお話」~9月定例会

2019年10月15日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 06:40 Comments( 0 ) 講演会 定例会
10月5日は、9月定例会が開催されました。この定例会は当初、9月21日に予定されていたものですが、台風により延期されました。今月の定例会は「浦添市民の学び応援講座」の第2回目として、おもろ研究の第一人者で継承者でもある安仁屋眞昭先生(以下、「先生」と記します)をお招きし、「水とおもろのお話」と題した講演をしていただきました。

講演ではまず、「おもろさうし」とは、琉球王府で編纂された古歌謡集であり、「おもろ」とは「ウムイ(=思い)」の意味で、「さうし」とは「冊子」のことであるということを学びます。

その内容は、各地で執り行われていた祭事について、城主が不在のときにそれがおろそかにならないよう、地方の祭事への「ウムイ」を編纂したものだそうで、天体賛歌や英雄賛歌、航海安全の祈り等を含む叙事詩です。おもろさうしは全部で22巻あり、第二尚氏時代の第三代尚真王の頃に編纂が始まり、尚真王の死後1531年に第一巻が発行されました。

第二巻は1609年に薩摩に攻められた4年後の1613年に発行され、琉球王国がとても大変だったであろう時期に文化事業の編纂が続けられていたことに「おもろ」への「ウムイ」の深さが感じられる、とのことでした。

先生のご先祖は、「おもろ」の神歌主取(王府に置かれた役職で、「おもろさうし」の管理と儀式・祭礼の際「おもろ」を謡う任務があったそうです。)を代々世襲で引き継いできており、主取は先生の曾祖父の時代まで続いたそうです。
そして、「王府おもろ」として伝承されている5曲の「おもろ」は、先生の曾祖父が琉球古典音楽・芸能の第一人者、山内盛彬(やまうちせいひん)氏に伝承し、その山内氏から先生へ再び伝承されたのだそうです。


実際に「おもろ」を謡っていただく前に、先生の似顔絵が「桜坂劇場」パンフレット表紙を飾ったものを手に笑みを浮かべていらっしゃいました。

そして、「おもろ」に敬意を表し、琉球王国時代の「八巻(はちまち)」と呼ばれる冠を被りおもろを謡う先生。八巻は、色によって階級が分かれており、黄色は高級官僚の位だそうです。

これが、「おもろ」の歌詞と音符です。

この歌詞の大文字で記された部分(赤丸をつけているところ)のみが意味がある部分で、その他の「wo」「 u」 「n」などは意味がないそうで、まるで暗号のようです。

「おもろ」には、水に関するものもいくつかあり、お正月に琉球国王へ若水を献上する際の辺戸大川でのお水取りで謡われるもの、二水献じの恵方のお水取りで謡われるものなど5つをご紹介いただきました。

辺戸大川のお水取りでは「安須杜から湧き出る 世を豊かにする力のある水を国王様に奉れ」という意味の歌が、

そして、二水献じ恵方のお水取りでは「清水の湧き出る井泉を造って命の再生の浄めの水を尚真王様に奉れ」という意味の歌が謡われます。
「安須杜(あすむい)」とはアマミキヨによって創られた琉球最初の御嶽です。その麓から湧き出る辺戸大川の水は琉球の根元の若水で、この水と、首里城から見て恵方の水を若水として国王に献上するのが「二水献じ」です。恵方の水は干支によって汲む場所が決まっていますが、現在では亥の方角である浦添市澤岻の澤岻樋川でしか汲むことができないため、毎年澤岻樋川でお水取り行事が行われています。
500年ほど前の琉球王国いにしえの時代から、神聖なものとして大切に扱われてきた水。その水への「おもろ(ウムイ)」を大切に引き継いでいきたいものです。



講演の終了後、ごや副代表からお礼の言葉、金城顧問から閉会の言葉があり、ぐし代表からお礼の品をお渡しし本日のプログラムが終了しました。


最後に、この日の出席者全員で先生を囲んで記念撮影をしました。
先生は反戦平和への強いウムイをお持ちで、講演会の冒頭、米軍基地から派生したと思われる湧水の汚染について熱く語っておられました。

なおこの日、見学として参加してくださっていたKさんから正式に加入の申し出がありました。今後ともよろしくお願いいたします。







8月定例会~みずの資料館・シグルクガー見学

2019年08月17日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 21:36 Comments( 0 ) 定例会
8月17日は、8月の定例会が行われました。この日は、午前11時から那覇市おもろまちにある「みずの資料館」の見学からスタートです。

ここでは、県企業局で長く水道事業に携わっておられた上間さんから、沖縄の水事情についての説明がありました。

沖縄県で使用される水は日量42~43万tほどで、河川の少ない沖縄ではその約77%ほどがダムから供給されるのだそうです。ダムに頼らざるを得ない現状は厳しいものがあるようです。ちなみに、湧水を含めた地下水の供給量は25000tほどだそうです。
また、県内では「嘉手納湧水群」が水の豊富な地域として知られており、米軍は基地を建設する際にはこれらの情報を事前に的確に把握していたとの話もあり、改めて「水の確保」がとても重要なのだということを思い知らされました。

また、別の部屋では那覇市の奥武山付近に今も残されている「落平(うてぃんだ)」での水運搬の様子や

金武大川ではないかと思われる昔の風景の写真が展示され、興味深いものがありました。


写真は、現在の「落平(うてぃんだ)」の姿


そして、上の2枚は現在の「金武大川」の姿です。
「落平(うてぃんだ))」はその昔は伝馬船で水を運ぶほど水量が豊富だったようで、当時は一面の海。今は付近は埋め立てられてしまい、当時の面影は全くなく、崖の下からわずかにちょろちょろと出るのみです。それでも、当時に思いを馳せることができる貴重な場所だと思います。


11時半からは、みずの資料館すぐ隣の「ケニーズ」でランチを兼ねた定例会です。
この日の議題として、金城顧問が今年いっぱいはお休みする予定であること、会員である野原さんご夫妻に第一子が誕生したこと、そして、忘年会の計画について、ぐし代表から報告と提案がありました。その後、琉球大学風樹館の島袋さんから、11月に東京で開催される「サイエンスアゴラ」のワークショップの予定と、湧き水fun倶楽部として協力をお願いしたいことについて説明がありました。
また、桂さんからは、先月講演をしていただいた宮城茂雄先生と一緒に国頭村へ竹を採りに行くという話がありました。都合の合う方は同行しても構わないとのことでした。竹は組踊などの小道具として加工するのだそうです。

13時15分からは、那覇市銘苅にある「シグルクガー」の見学に行きました。「シグルクガー」は、組踊の創始者、玉城朝薫の「朝薫の五番」と称される「銘苅子」の舞台となったと言われる由緒あるカーです。

この見学には、渡辺の職場で非常勤として勤務されているUさんが参加されました。シグルクガーの近所にある銘苅小学校では児童による「銘苅子」が演じられるそうで、Uさんはその銘苅小のPTCAなのです。児童が演じる「銘苅子」に感銘を受けたものの、シグルクガーの詳細な場所をご存知ないとのことで、今回ご一緒することとなりました。

ここで、先日の宮城茂雄先生による講演での「銘苅子」冒頭の唱えを再生させていただきました。

近くに大きなマンションも建つ那覇の真ん中にひっそりと佇む「シグルクガー」。
付近の整備も進んでいるようですが、現在の景観を損なうことなく由緒あるカーを守り続けてほしいものです。

この日の天気はあまり優れない予報で実際に水の資料館見学時から若干降雨がありましたが、幸い、シグルクガーを訪れたときは傘もいらないくらいでした。雨上がりの蒸し暑さには少し参りましたが。

来月の定例会は、おもろの研究の第一人者であり継承者でもある安仁屋眞昭先生による講演を予定しています。

写真は、昨年の国頭村辺戸でのお水取りでの安仁屋先生です。(先頭のひげの方です。)
会員の皆さんには後日、改めてご案内させていただきます。