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恩納村山田のカー~前ガー~

2014年03月04日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 20:56 │Comments( 0 ) 恩納村
湧き水カルタの各市町村からの選択がまだ済んでいない恩納村の情報を収集するため、恩納村の博物館に行ってみました。
情報を得たかったのは山田グスクの近くにあるカーについてです。
恩納村山田のカー~前ガー~
このカーの全体を撮った写真です。手前に二つあるのは涸れていますが、夫婦ガーでしょうか。本題のカーはその奥、写真右端に写っています。
恩納村山田のカー~前ガー~
そして、これが本題のカー。緑豊かな場所にある、石積みの美しいカーです。
たまたま応対してくれたのが文化財担当の方で、地図を見ながら「それは前ガーという」ということを教えてくれました。
そして、山田集落で字誌を作成しているので、公民館に行った方が詳しい話が聞けるかも知れない、と言われたので、そちらを訪ねることにしました。
公民館で書記さんにお話をしてみると、その字誌をいただくことができました。そして、区長に「こんな人が来ている」とお話されると区長が来てくださり、「あのカーは石が有名なんですよ」と一言。
恩納村山田のカー~前ガー~
恩納村山田のカー~前ガー~
その「有名な石」とは、字誌を見てみると、こう書いてあります。
恩納村山田のカー~前ガー~
このカーの前方を囲っている石柱状の石が大交易時代に使われた碇石(いかりいし)だと、県立博物館館長の當眞嗣一の寄稿で発表された。
石の重量から試算すると、200t~300t級の大型貿易船が往来していたことになるが、碇石は沖縄県に4個しかないため、文化財として学術的にも極めて重要である、とのこと。ちなみに、4個の碇石のうち、2個は久米島、1個は糸満にあるそうです。
恩納村山田のカー~前ガー~
「前ガーは護佐丸父祖のお墓の下に位置し、その一帯が聖域となっているため伐採するものもなく、深い森を成し、渇水期にも涸れることのない地下水を育んでいるものと思われる、護佐丸が山田グスクに居城している時代から戦後簡易水道ができるまで大いに利用された、簡易水道ができた後もお正月の若水として利用されてきた」とも記されています。区長によると、カーざらい(カーのお掃除)も行っているそうです。
この字誌をいただくときに、どちらから?と聞かれたので、こういう会に所属していてこういう活動をしています、と当会の冊子を差し上げました。すると、区長は興味深そうに冊子を広げ、書記さんからはお水取りの写真について「浦添でこんなこともしているんですね」とお話があったので、国頭の辺戸と浦添の澤岻でお水取りが行われ、首里城に献上する儀式が再現されていることをお話ししました。「辺戸のお水取りのことは知っていたけれど、浦添でもこんなことが行われていることは知らなかった」とのこと。もっとアピールせねば、と思いました。
周辺の雰囲気やその美しさから、以前から気になっているカーではありましたが、学術的にも貴重なカーであることがわかりました。この字誌をくださった公民館の方にお礼申し上げます。おかげさまで、「初出張」が実り多いものとなりました。




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