てぃーだブログ › 湧き水fun倶楽部 活動記録 › 湧き水に関する行事 › バスで行く!今帰仁村湧き水めぐり~湧き水fun倶楽部忘年会
12月21日は、湧き水fun倶楽部の忘年会を兼ねた湧き水めぐりで、3年間プロジェクトの一員としてとしてご指導いただきました琉球大学水の環プロジェクトの皆さんとの交流も兼ね、湧き水fun倶楽部会員の上間さんの出身地である今帰仁村へ行きました。
この日はぐし代表が体調不良により声が出ないというアクシデントに見舞われたため、この忘年会の幹事であるごや副代表と宮城さんが急遽取り仕切ることになりました。
今回の湧き水めぐりは、「浦添市市民の学び応援講座」も兼ねており、その講師として、那覇市中央公民館の前館長である古塚達朗先生をお招きしました。
バスで行く!今帰仁村湧き水めぐり~湧き水fun倶楽部忘年会
古塚先生は、那覇市の教育委員会文化課でお仕事をされ、「ぶらりスージグヮー」(沖縄出版)などの著書があるほか、数年前のブラタモリにも出演された経験(当時の肩書は那覇市歴史博物館館長)の持ち主でもあります。出発してまもなく、車内で講座が始まりました。古塚先生は普段、バスの中では基本的にずっと立ってお話をされますが、高速道路ではそれは危険!ということで、座ってお話いただいています。
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「井戸を作るには家一軒建つくらいのお金がかかるため、井戸のある家は大金持ちだった。ワンドゥーガー(椀胴井戸)と呼ばれるお椀をひっくり返したような形の井戸は工事の最中に崩落の危険性もあるため更に高額だった」
「ムラガーの中で一番重要と言われているのは、親川や、産水や死水を取るウブガーで、これを汚すと厳しく罰せられ戦前で約40銭の罰金が科せられた。それは今の感覚で100万円くらい取られるようなもの」
「若水汲みでは、若水の効果がなくなってしまうため、水を汲んでから家に帰るまで誰とも口をきいてはいけなかった」
など、水に関する話だけでなく、豆腐や泡盛まで多岐にわたって話が及び、皆さん目から鱗でした。
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また、ブラタモリの撮影時の話もされ、「タモリさんはカメラの回っていないときでも、非常にサービス精神旺盛な人だった」「桑子アナは天然で美人で人当たりのいい人だった」など、お二人の素顔についてもお話してくださいました。

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この日最初に訪れたのは、「親川(エーガー)」(今泊)です。
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今帰仁城のふもと、今泊集落にあり、今も豊富な水量を誇ります。ここはかつて、今帰仁城へ行く人たちが手足を清め、喉を潤した場所なのだそうです。当時は田んぼや生活用水などに使われており、今もカー拝みは行われているのだそうです。
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くぼみのある丸い石は、当時、女性が髪を洗うのにつかったのだそうです。クチャとよばれる泥岩をそのくぼみで(今でいう洗面器のように)溶かして使っていたようです。昔の女性たちは髪が長かったので、そんなふうに洗髪したのでしょうね。

親川のあとは、「兼次ウィヌハー」(兼次)に行きました。こちらの地域は、昭和8年に水道タンクが敷設され、そのタンクと記念碑や水源地がありますが、バスが停車できなかったため、車窓からのみの見学となりましたので、以前「多良川うちなー湧き水紀行」取材時の写真を掲載します。
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上の写真は2006年に当時今帰仁村歴史文化センター館長だった仲原弘哲さんに案内していただいた際の水源の写真です。国道から少し山手に入った鬱蒼とした林の中に水源があります。
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そしてこちらは国道沿いにある水タンクと記念碑です。このタンクは今も現役なのだそうです。

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3か所目は、「フプガー」(諸志)です。
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このカーを囲む一帯は「諸志御嶽の植物群落」として国指定の文化財(天然記念物)となっています。
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このクロツグ(マーニ)と呼ばれるヤシ科の植物は、聖地を示すものなのだそうです。
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実際に、植物群落の中を歩いてみました。この植物群落は、「200種類以上の植物が自生しており、価値は極めて高い」(文化遺産オンライン)と記されています。

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4か所目は、「ヒージャーガー」(渡喜仁)です。
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ウッパマビーチの崖の下から湧き出しています。百数十段の階段を下りて行くこともできますが、運動公園を抜けて車でビーチまで行き駐車場から歩いて行くことも可能で、この日は前日が雨だったことから、車で下りることにしました。この日の水量は、ごや副代表と宮城さんが下見に来たときよりも多かったそうです。

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午前中の最後は、「アスミガー」(天底)です。
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ここは「シマチスジノリ」(淡水産の紅藻)が自生しているカーとして有名で、ここのシマチスジノリは県の天然記念物に指定されています。チスジノリはまさにチスジ=血筋ということで血管に似ているからなのですが、シマと付くのは、「島豆腐」や「島酒」など沖縄のものを表す意味ではなく、縞模様であることからの「シマ」なのだそうです。味は「浅草のリ」に近いものでおいしいそうですが、希少種ゆえ、口にできる可能性はないかも知れません。国の天然記念物として指定されている那覇市識名園にある育徳泉でシマチスジノリが涸れた際、このアスミガーほかからの移植も検討されたそうですが、DNAレベルで違うことも考えられるため断念した経緯があるそうです。ちなみに、育徳泉で涸れたシマチスジノリは後に自然に復活したのだそうで、どうやら生育条件が厳しくなると成長せずに小さいまま留まる傾向があるのだそうです。

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昼食は「珊瑚Table」さんです。
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まずは司会である三井さんから開会のあいさつを受けたのち
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琉球大学の安元先生から乾杯の音頭をいただき、食事がスタートしました。
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お料理は肉と魚の2種類から選び、こちらは魚のコース。フォッカッチャかライスが付きます。
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そして、食後は毎年恒例となっている「湧き水ビンゴ」です。9つのマスの中に自分の好きな湧き水を入れていただきます。それがそれぞれのビンゴカードになりゲームがすすみ、福引の順番をきめるというもの。
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これが古塚先生のビンゴカード。相当マニアックな名前が並び、皆をあっといわせました。古塚先生の思いのたっぷり入った湧き水の数々、よい記録となるため、許可を得て撮影させていただきました。
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ゲームも終了したところで、金城顧問から古塚先生への感謝の言葉、
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ぐし代表から記念品をお渡しし、昼食会は閉会となりました。
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お会計を済ませて、参加された皆さんで記念撮影です。

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最後に訪れたのは「ヨシトコ湧泉」(勢理客)です。
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ここは今帰仁村で最も水量の多い湧泉で、上水道の水源地となっているそうです。写真中央やや左に大きな鯉が見えました。

これでこの日の見学はすべて終了し、帰路に就きます。車内では引き続き古塚先生の講座があり、その後は皆さんからそれぞれこの一年を振り返っての感想などをいただきました。

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琉球大学到着後、参加された皆さんで再度記念撮影です。

講師として参加してくださった古塚先生をはじめ、バスのチャーターをしてくださった琉球大学水の環プロジェクトの皆様、参加して下さった安元先生、幹事を務めてくださったごや副代表と宮城さん、ゆいバスの運転手大城さんに厚く御礼申し上げます。



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