南城市のカーをめぐる

湧き水fun倶楽部

2021年03月07日 14:29

先日、南城市を訪れる機会があったので、カーめぐりをしてきました。

まず最初に訪れたのは、玉城船越にある「船越大川(ふなこしうっかー)」。200年以上昔に作られたものと思われるそうです。

水量は豊富なのですが、

樋から水は出ていません。きっと、下の水溜めのところから湧き出ているのでしょう。


次は奥武島の「西ガー(いりがー)」です。奥武橋を渡ってすぐ正面右手に見える仲本鮮魚てんぷら店のすぐ横にあります。

中を覗いてみると、残念ながら、ゴミがたくさん浮いています。ちゃんと柵がされているので、無理やり押し込んだとしか思えません。

その「西ガー」から数十mほどのところにある「産井戸(うぶがー)」に行ってみると、お近くにお住まいと思われる方がいらっしゃいました。

声をかけてみると、「ウガンブトゥチで一年間の感謝を伝えに来た」とのことでお供え物も持参されていました。後ろ姿なら、と許可をいただき撮影させていただきました。こちらは以前、青年会の皆さんが若水を汲んで地域の方たちにお届けする姿を拝見させていただいたので、そのことも尋ねてみると、今も続いているとのことでした。




上の3枚は、2007年の旧正月に若水を汲みに集まった青年会の皆さんと、各家庭に配られた若水。時間は午前5時ころです。電気の点ているご家庭には直接手渡し、いらっしゃらないご家庭には玄関前などに置いてまわります。


知念志喜屋の「親川(えーがー)」は残念ながら涸れてしまったようです。

上の写真は、2007年の「親川」です。雨季になれば水量が戻ることがあるのでしょうか。そうあってほしいです。


こちらは「親川」から少し上ったところにある「カンチャ大川(かんちゃうっかー)」。

近くにお住いのoさんにお聞きすると、「子どものころは泳げるくらい水量があった」、とのこと。その方の年齢から考えると、昭和40年代半ばくらいでしょうか。しかし今ではほんの10cmほど。

そうは言っても、イモリもたくさん泳ぐ清らかな水。付近で栽培されているクレソンの生育にも欠かせないものであるはずなのでいつまでも大切に残していただきたいと思います。


こちらは「具志堅の樋川」です。昭和4年の完成だそうです。

水量はさほどありませんが、涸れることなくしっかりと湧き出ています。

今回初めて気づいたのですが、注ぎ口は3か所ではなく、4か所でした。

カーの前の花木もきれいに手入れがされていて、落ち着く雰囲気です。



具志堅の樋川から少し山の方に入ったところにある「知念大川(ちねんうっかー)」。
数年前になんじょう市民大学が主催した「かーオブザイヤー」でも訪れたカーで、琉球国王が自ら参拝する聖地だったとのこと。

中を覗いてみると、残念ながら少し淀んでいるようです。今は特段活用もされていない様子でした。

これは2018年、かーオブザイヤーの写真です。このときは、「気ままにロハススタイル」の取材もありました。



そして、国道331号からわずかに中に入ったところにある「ウフミチガー」。
大きな道のそばにあることからついた名前のようです。

こちらも少し濁っているような水でした。



最後は、帰り道で偶然見つけた佐敷手登根にある「名幸井(なこうがー)」。
樹木が生い茂って、まるで大きな植木鉢のようで、これはこれでおもしろいと思いました。

この日は天気もよく、とても気持ちのいいカー巡りでした。
姿かたちを変えてしまったカーもあるようですが、由緒ある素敵なところばかりですので、時間を見つけてほっと一息つきに訪れるのもいいかも知れません。ただし、「カンチャ大川」や「知念大川」は国道から少し入るため少しわかりにくく、道の細いところもありますので、地域の方々の往来に支障をきたさないよう充分気をつけてください。














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