11月18日は、11月の定例会「北谷町の湧き水散策」をテーマに行いました。担当は宮城でした。
サンセットビーチ傍にある温泉や西海岸の観光エリアにはよく行くのですが、北谷町の湧き水についてはわからなかったため調べてみたいなという理由からでした。参加者は7名でした。
北谷公園に集合、そこから宇地原公園に向かいました。
宇地原公園南側にせせらぎ広場があり、ここにホースガー(ウージガー)があります。
戦後、全域が米軍の占領地となった北谷村のなかで、謝苅はいち早く居住許可地区になったため多くの人々がこの湧き水を利用されたそうです。水が豊富で、主に飲料水・生活用水の他に洗濯場としても利用されていたようです。
現在は公園の一部として保存されています。
説明版や案内板などはなく、ここがホースガーとわかるのはバス停の名称でした。
湧き水fun俱楽部のごやさんは、30年前にラジオの取材で訪ねていたようで、今は整備されて昔とはすっかり周囲の環境が変わっていることに驚いていました。
昔、インタビュー取材した際の思い出を皆に話してくれました。「家の目の前、2・3歩のところにホースガーがあって、おばあさんが食器を洗ったりしていたよ。ホースを入れていたからホースガーと呼ばれてた。夏はひじるで冬はぬるくて上等と話していたのが印象的でね、懐かしいです。」
当時の音源が残っているそうなので、また定例会の中で聴きたいね!という意見がありました。
次は謝苅公園から県道24号線沿いを歩きトーバルガーに向かいました。
途中、細道があってその手前に井戸があり「泉川」と書かれた石碑がありました。事前の下見で謝苅公民館にお話を伺いに行った際、こちらの井戸についても教えてもらいました。
昔、共同で使用していた井戸で現在は使われていないということでした。
さらに細道を進むと用水路のトンネルがありました。ちょうど道路の真下になるのか、トンネルを抜けると雰囲気が一変、小さな水路をたどっていくとトーバルガーがあります。
昔は水が豊富に流れ出しその水を田んぼへ利用されていたそうです。水道が普及するまでは生活用水として使用し、若水や産水が汲まれていたいたそう。拝みの時期以外だと草木除去が行われていないことがあるということでした。
近くまで降りる階段が見当たらず水辺にはいけませんでしたが澄んでいる水のように見えました。
謝苅地区は北谷町の中でも昔の雰囲気が残っている場所のようです。謝苅公園からは北谷町内を見渡せ海も眺めることができました。
次は砂辺区にあるヌールガーに向かいました。
沖縄の湧き水カルタ「の」に掲載されている場所です。
カルタの解説に「戦前、ウマチー祈願のため『砂辺之殿』へ赴く平安山ノロは先ずこのカーで手足を洗い行事に臨んだという」とあります。カルタを担当した会員さんに作成時の話など聞いてみたかったのですが参加されていなかったのであらためて教えてもらおうと思いました。
ここから数分歩いたところにインガーがありました。
旱魃の際に犬が発見したと伝えられているようです。門が閉まっていたため外から見学しました。
この後は、北谷公園に戻りテルメヴィラちゅら―ゆの足湯でゆんたくしながら休憩しました。
こちらの温泉は化粧水のようにトロトロした肌触りで美肌の湯と言われています。この日は肌寒く風も強かったので温泉でぽかぽか温まって気持ち良かったです。
北谷町には国指定史跡伊礼原遺跡があり現在も枯れることなく水が湧き出る「ウーチヌカー」という場所があります。
(写真は、NHKおきなわeye(2014年10月8日放送)から)
今回は博物館建設工事・伊礼原遺跡整備工事のため見学することはできませんでしたが、2年前にごやさんが出演された「うちなー紀聞」という番組の中で沖縄最古の湧き水だろうと紹介されていました。北谷町の文化発信拠点が新しくできるということなので完成後にまた湧き水fun俱楽部の皆で訪ね学びを深めたいと思います。北谷町の湧き水散策をするにあたっては北谷町役場文化課の方に相談させていただきました。お忙しい中、資料などアドバイスいただきお世話になりました。ありがとうございました。