
7月5日~6日、宮古島市へ行き、各地の湧水をめぐってきました。
当初の予定では天候が心配でしたが、両日とも幸いなことに雨には降られることはありませんでした。
【サバウツガー】(宮古島市伊良部佐良浜)
伊良部町指定史跡文化財・昭和50年1975)8月1日指定


サバウツガーは、直径1.5m、深さ4.5mの井戸で、240年以上も佐良浜の人々の生活を支えてきたそうです。

鍛冶技術や石工技術を知る上からも重要なもの、と記されていますが、現在は水が涸れてしまっていて、中にはゴミが落ちているのが残念でした。

昭和41年に簡易水道が敷設されるまで利用されていたとのことですが、

123段もの階段の上り下りは相当な苦労があったことでしょう。
【ダキフガー】(宮古島市伊良部伊良部)
伊良部町指定文化財・昭和56年12月23日指定

ダキフガーは、ダキフと呼ばれる植物がこの地域に繁茂していたためにダキフガーと呼ばれるようになったとのことで、この井戸が掘られたのは1500年~1700年頃と推定される、歴史のある井戸です。

直径は2.3m、深さは3.5mで、人畜の命の源として活用されていたのだそうです。
【神里ガー】(宮古島市伊良部仲地)
伊良部町指定文化財・昭和56年7月28日指定

この神里ガーは、神様が集まっていろいろな協議をする場所として信仰が厚い場所なのだそうです。このあたりにいた牛がさかんに土を掘ることを不思議に思って掘ったところ、洞泉が出たのだそうです。県内各地に、ハトが見つけた、犬が見つけた、猫が見つけた、などの言い伝えがあるカーがありますが、ここは牛が見つけたカーということになるのでしょうか。

深さは5~6mほどでしょうか。石積みの囲いの下に湧き口があり、

今もわずかですが、水を確認することができました。また、信仰が厚いのことばどおり、お線香の燃えカスが残っており、今も拝みに訪れる人々がいるらしいこともわかりました。
【多良川本社】(宮古島市城辺砂川)
今の湧き水fun倶楽部があるのは、この多良川さんあってこそ、と言っても過言ではない泡盛メーカーです。ぐし代表とごや副代表がラジオ沖縄「湧き水紀行」のパーソナリティを務めていた時代、番組のスポンサーだったのが多良川さんです。

この多良川さんがある地域はその昔、「たるーがー」と呼ばれる沼地だったそうです。


上質な仕込み水の確保に苦慮していた初代杜氏が、この沼地に着目し採掘をしたところ、地層に磨かれた上質な水の汲み上げに成功したのだそうです。
【崎田川湧水】(宮古島市下地上地)

この地は初めて訪れました。下地にある製糖工場とファミリーマートの間の道から入り、エコパーク宮古の裏手にあります。


詳しい資料がないため多くは書けませんが、咲田川とも表記するようです。湧水口は複数あり、一部は製糖工場の事業用水として利用されているとのことです(環境省HPより)。

水量も豊富で、ヒンヤリとしたとても澄んだ水が流れていました。
【漲水御嶽】(宮古島市平良西里)

宮古島の創世神、古意角と姑意玉の二神が天下りしたという聖地。

公式な記述にはないものの、この御嶽と水の関連について触れられた記述も見かけることがあるため、これまでの感謝と今後の安全を祈願してきました。
【ンマリガー】(宮古島市平良島尻)
昨年ユネスコ無形文化遺産に登録された奇祭、パーントゥ。

来訪神が全身に塗りたくる泥をすくうのが「ンマリガー」です。

ここは、以前も行こうとしましたが、地図が読めずに断念しました。今回は、Google mapでの予習を行い迷わずにたどり着けました。
が・・・。

草が茂りすぎて入ることを断念しました。神聖な場所なので、安易に入ってくれるな、ということなのかも知れません。
余談ですが、ンマリガーの泥の悪臭は強烈で、泥を付けられると数日間は臭いが取れないそうです。
【ボラガー】(宮古島市城辺保良)

眼下に絶景が拡がるボラガー。


眼下に見えるビーチから数十m崖上にボラガーがあり、湧き出した水はプールへ注がれます。


この日は波が高くビーチは遊泳禁止となっていましたが、この湧水のプールならば安心。絶景付きという最高の贅沢。
他にも、今回訪れていないカーもたくさんありますが、以前ご紹介したことがあると思いますので、今回は当時撮った写真と簡単なコメントのみ掲載します。
【ヤマトガー】


首里王府と薩摩の役人しか利用することができなかったと言われるカーです。重厚感のある石積みが立派です。
【栗間ガー】


数十メートルの断崖の下にあるカー。ここでの水くみ経験のある津嘉山荘の津嘉山千代さんに案内していただきました。
【友利のムイガー】




栗間ガー同様、断崖の下にあるカーです。下まで降りることが可能ですが、かなり大変です。ボラとシギラベイを結ぶ県道235号線沿いにあります。
【山川ウプガー】


東平安名岬と西平安名岬を結ぶ県道83号線沿いにあり、少し下るとあります。大きな標識などがないため、うっかりすると見落とします。
宮古島は水の確保に相当な苦労があったようですが、このようにきれいな水が湧き出る地域もたくさんあります。この美しい自然と水をぜひ守り続けてほしいものです。
当初の予定では天候が心配でしたが、両日とも幸いなことに雨には降られることはありませんでした。
【サバウツガー】(宮古島市伊良部佐良浜)
伊良部町指定史跡文化財・昭和50年1975)8月1日指定


サバウツガーは、直径1.5m、深さ4.5mの井戸で、240年以上も佐良浜の人々の生活を支えてきたそうです。

鍛冶技術や石工技術を知る上からも重要なもの、と記されていますが、現在は水が涸れてしまっていて、中にはゴミが落ちているのが残念でした。

昭和41年に簡易水道が敷設されるまで利用されていたとのことですが、

123段もの階段の上り下りは相当な苦労があったことでしょう。
【ダキフガー】(宮古島市伊良部伊良部)
伊良部町指定文化財・昭和56年12月23日指定

ダキフガーは、ダキフと呼ばれる植物がこの地域に繁茂していたためにダキフガーと呼ばれるようになったとのことで、この井戸が掘られたのは1500年~1700年頃と推定される、歴史のある井戸です。

直径は2.3m、深さは3.5mで、人畜の命の源として活用されていたのだそうです。
【神里ガー】(宮古島市伊良部仲地)
伊良部町指定文化財・昭和56年7月28日指定

この神里ガーは、神様が集まっていろいろな協議をする場所として信仰が厚い場所なのだそうです。このあたりにいた牛がさかんに土を掘ることを不思議に思って掘ったところ、洞泉が出たのだそうです。県内各地に、ハトが見つけた、犬が見つけた、猫が見つけた、などの言い伝えがあるカーがありますが、ここは牛が見つけたカーということになるのでしょうか。

深さは5~6mほどでしょうか。石積みの囲いの下に湧き口があり、

今もわずかですが、水を確認することができました。また、信仰が厚いのことばどおり、お線香の燃えカスが残っており、今も拝みに訪れる人々がいるらしいこともわかりました。
【多良川本社】(宮古島市城辺砂川)
今の湧き水fun倶楽部があるのは、この多良川さんあってこそ、と言っても過言ではない泡盛メーカーです。ぐし代表とごや副代表がラジオ沖縄「湧き水紀行」のパーソナリティを務めていた時代、番組のスポンサーだったのが多良川さんです。

この多良川さんがある地域はその昔、「たるーがー」と呼ばれる沼地だったそうです。


上質な仕込み水の確保に苦慮していた初代杜氏が、この沼地に着目し採掘をしたところ、地層に磨かれた上質な水の汲み上げに成功したのだそうです。
【崎田川湧水】(宮古島市下地上地)

この地は初めて訪れました。下地にある製糖工場とファミリーマートの間の道から入り、エコパーク宮古の裏手にあります。


詳しい資料がないため多くは書けませんが、咲田川とも表記するようです。湧水口は複数あり、一部は製糖工場の事業用水として利用されているとのことです(環境省HPより)。

水量も豊富で、ヒンヤリとしたとても澄んだ水が流れていました。
【漲水御嶽】(宮古島市平良西里)

宮古島の創世神、古意角と姑意玉の二神が天下りしたという聖地。

公式な記述にはないものの、この御嶽と水の関連について触れられた記述も見かけることがあるため、これまでの感謝と今後の安全を祈願してきました。
【ンマリガー】(宮古島市平良島尻)
昨年ユネスコ無形文化遺産に登録された奇祭、パーントゥ。

来訪神が全身に塗りたくる泥をすくうのが「ンマリガー」です。

ここは、以前も行こうとしましたが、地図が読めずに断念しました。今回は、Google mapでの予習を行い迷わずにたどり着けました。
が・・・。

草が茂りすぎて入ることを断念しました。神聖な場所なので、安易に入ってくれるな、ということなのかも知れません。
余談ですが、ンマリガーの泥の悪臭は強烈で、泥を付けられると数日間は臭いが取れないそうです。
【ボラガー】(宮古島市城辺保良)

眼下に絶景が拡がるボラガー。


眼下に見えるビーチから数十m崖上にボラガーがあり、湧き出した水はプールへ注がれます。


この日は波が高くビーチは遊泳禁止となっていましたが、この湧水のプールならば安心。絶景付きという最高の贅沢。
他にも、今回訪れていないカーもたくさんありますが、以前ご紹介したことがあると思いますので、今回は当時撮った写真と簡単なコメントのみ掲載します。
【ヤマトガー】
首里王府と薩摩の役人しか利用することができなかったと言われるカーです。重厚感のある石積みが立派です。
【栗間ガー】
数十メートルの断崖の下にあるカー。ここでの水くみ経験のある津嘉山荘の津嘉山千代さんに案内していただきました。
【友利のムイガー】




栗間ガー同様、断崖の下にあるカーです。下まで降りることが可能ですが、かなり大変です。ボラとシギラベイを結ぶ県道235号線沿いにあります。
【山川ウプガー】


東平安名岬と西平安名岬を結ぶ県道83号線沿いにあり、少し下るとあります。大きな標識などがないため、うっかりすると見落とします。
宮古島は水の確保に相当な苦労があったようですが、このようにきれいな水が湧き出る地域もたくさんあります。この美しい自然と水をぜひ守り続けてほしいものです。
この記事へのコメント
素晴らしい調査をありがとうございます。青い海・青い空の
宮古島のイメージとは一味違い地味ですが、宮古島出身の私としてはとても大事な情報です。
(近年、このような宝物がおざなりになっていると強く感じます)
ありがとうございます。
宮古島のイメージとは一味違い地味ですが、宮古島出身の私としてはとても大事な情報です。
(近年、このような宝物がおざなりになっていると強く感じます)
ありがとうございます。
Posted by 波名城 優 at 2024年07月11日 08:36
玻名城様
コメントありがとうございます。
湧き水というのは、おっしゃるとおり大変地味で、水道が普及し忙しい現代においては、忘れられがちな存在です。しかし、人々の暮らしが湧き水とともにあった時代のことは、後生に伝えていかなければ大切な財産であると考えます。このようなコメントをいただけることは今後の活動の励みにもなります。今後とも応援方よろしくお願いします。
湧き水fun倶楽部 ブログ担当 渡邉
コメントありがとうございます。
湧き水というのは、おっしゃるとおり大変地味で、水道が普及し忙しい現代においては、忘れられがちな存在です。しかし、人々の暮らしが湧き水とともにあった時代のことは、後生に伝えていかなければ大切な財産であると考えます。このようなコメントをいただけることは今後の活動の励みにもなります。今後とも応援方よろしくお願いします。
湧き水fun倶楽部 ブログ担当 渡邉
Posted by 湧き水fun倶楽部
at 2024年07月14日 21:01
