忘年会と那覇まちまーい

湧き水fun倶楽部

2017年12月22日 23:40

12月16日は、湧き水fun倶楽部の忘年会が開かれました。
忘年会に先駆けて、午前中は那覇まちまーいの「首里三箇~泡盛と王朝文化を育んだ城下町」コースに参加し、町歩きをしました。
このルートは、琉球王朝時代に唯一泡盛作りを許されていた首里三箇(赤田、崎山、鳥堀)の城下町の歴史と文化をめぐる町歩きです。

朝10時前に首里駅に集合。全員が揃ったところで出発です。

この日、ガイドをつとめてくださるのは、那覇まちまーいの金城幸男さん。

まず最初に訪れたのは、首里中学校脇にある「ワンドゥーガー(椀胴井戸)」。

この井戸は、ここに書かれているようなお椀を伏せたような形で、下は広がりがあるのだそうです。入口が狭く中が広いのは、口が広いと異物などの混入や転落の危険があるのでそれを防ぐ意味もあるのでしょうか。こうした井戸が発達したのは17世紀頃だそうで、石積みの技術の高さには驚くばかりです。首里にはこのような形の井戸が多くあり、現役のものもたくさんあるそうです。

次は、ワンドゥーガーそばにある「聞得大君御殿跡(きこえおおきみうどぅんあと)」。聞得大君とは、祭祀を司る「ノロ」の最高峰で、歴代最後の聞得大君の住居と神殿の跡なのだそうですが、残念ながら面影を感じることはできません。
その後は、

中村製菓さんの前を通り、

泡盛製造の老舗、咲元酒造さんでは

工場内を見学させていただき、

試飲もさせていただきました。

こちらの武村松月堂さんのお菓子は、お茶会などでよく目にします。

首里殿内跡(現在は「赤田クラブ(公民館)」として利用されています)前を通り、

途中、ガイドさんの知人という方の敷地内にある井戸を見学させていただきます。
以前は円形の石積みがあったそうですが、今は石積みも撤去されふたがされているので中を見ることはできませんでした。現在も、お手洗いや洗濯に利用している現役なのだそうです。これは戦前からのもので、当時はつるべで水を汲んでいたとのことです。最初に訪れたワンドゥーガーと同じ形で、中は石積みだそうです。このお宅の近所50m四方ほどだけでもこのような井戸が今も10か所以上あるそうで、識名酒造さんの敷地にあるものが一番大きいのでは、とのこと。なお、水質は保健所からお墨付きをいただいているそうですが飲もうとは思わないそうです。


咲元酒造と同じく老舗の泡盛業者である識名酒造さんはお休みだったため、会社の前で「製品に初めて名前を付けた酒造会社である」ことなどの説明を受けます。ちなみに、そのときの名前、「時雨」は今も使われています。



ルート途中にあるメーチンジャー井戸は今もしっかり水が沸いており、ここで湧き水の仕組みの説明を受けます。


途中、車の通れないような細い道を歩きます。この石垣の上がカーブを描いているのは「ボーンター積み」と呼び、昔の泡盛業者の屋敷を取り囲む石垣なのだそうです。

御茶屋御殿(うちゃやうどぅん)跡に到着しました。御茶屋御殿跡敷地には現在、カトリック首里教会があります。



御茶屋御殿は、琉球王家の別邸兼迎賓館だったとのこと。こちらの井戸のお水で点てたブクブク茶の泡立ちが非常に素晴らしいと、今年2月に開催したブクブク茶のお茶会で田中先生からお聞きしたのですが、井戸がどこにあるのかは確認できませんでした。

こちらの雨乞御嶽には

御茶屋御殿から移設されたという大獅子が設置されています。火難をもたらすと考えられていた八重瀬岳に向けられているのだそうです。

この日は天気も良く(夕方からは本降りになったのですが)、このあたりからの眺めも素晴らしく、「首里八景」と讃えられていたそうです。



崎山御嶽にある崎山樋川。中をのぞくと、その樋が途中で直角に曲がっている、珍しい形をしていました。ここは、首里の国王へ若水を献上する際に水を汲んだカーの一つですが、現在は下に水は溜まってはいるものの、樋から水は出ておらず、ほぼ涸れてしまっている状態でした。

最後に訪れたのは、首里城にある「継世門(けいせいもん)」。

首里城を訪れる観光客のほとんどは守礼門や瑞泉門を見ることはあっても、ここを見ることは少ないのかとも思いますが、なかなかどうして、趣のある門です。名前のとおり、世継ぎのための門だったそうですが、最後の国王、尚泰はこの門から首里城をあとにしたのだそうです。そのときの国王の気持ちを考えると感慨深いものがあります。

通りかかりの方にお願いして全員で記念撮影でほぼ全行程を終了です。


解散の前に、その継世門脇にある「寒水川樋川(スンガーヒージャー)」を見ます。きれいなお水が湧いていました。あとで知ったことですが、「寒水川」と名の付くカーはいくつかあるので、ここは「赤田の」と言わないとわからないそうです。

首里駅に近いところまで戻り、2時間を若干超えたまちまーいも終了です。

まちまーいのあとは、昼食を兼ねて忘年会です。

この日の司会進行担当は野原さん。

ぐし代表のあいさつ後お食事が始まり、

この一年間の活動報告後、












参加された皆さんからこの一年を振り返ってさまざまなことを語っていただきました。

最後は、9つのマスを埋める「湧き水ビンゴ」。9つと言っても、真ん中は「龍樋」が入っているので8つを書き入れ、順番にひとつ湧き水の名前を挙げてマスを消していきます。マニアックな湧き水の名前を書く人もいて、そこは駆け引きですが、早くあがったからと言っていいものが当たるわけではなく、くじを引く順番が早いか遅いかだけなのです。

くじ引き後、野原さんご夫妻が準備をしてくださった賞品を手に、約3時間にも及んだ忘年会も幕を閉じました。
この1年、湧き水fun倶楽部にも新しい会員の方が加わりますますパワーアップしました。皆さん、この1年の活動、本当にありがとうございます。来年もよろしくお願いいたします。

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