湧き水信仰などに関する情報交換
3月5日は、ぐし代表と総合地球環境学研究所にお勤めの嶋田奈穂子さんとの情報交換が行われました。
嶋田さんからいただいた研究資料に目を通すと、沖縄島の国頭から糸満まで、20箇所以上の湧き水を回り調査をされた結果が書かれていました。また、ぐし代表の著書や、今や入手困難と言われる長嶺操先生の「沖縄の水の文化誌」をお持ちで、疑問に感じた点などにアンダーラインがたくさん引かれて、それらについて意見交換をする形で話が始まりました。嶋田さんは、東ティモールの水源などの研究をされていて、その中で東ティモールの湧水が儀礼とともに維持されていることが沖縄の湧水が信仰の対象となっているということと歴史的背景に共通するものがあるのではないかということに注目し、研究を進めていくなかで湧き水fun倶楽部のブログにたどり着いたのだそうです。
嶋田さんは元々、国家神道に位置づけられる神社ではなく無名の小さな神社の調査をご専門とされているそうです。それら神社が、人口減少などで維持管理が難しくなり近隣の神社と合祀された場合の跡地がどのようになっているかを考えた場合、沖縄の湧き水が、水が涸れてもなお祈りの場として維持されていることと関連づけて考えると何かヒントが生まれるかも知れません。
沖縄の湧き水には、水があってもなくても今も「聖地」として今も大切にされているケースがたくさんあります。
多くのカーには今も祠が残り、自治会などの地域主体でカー拝みや清掃をしているというお話もよく耳にします。
お話の詳細までここに記すことは難しく、また、嶋田さんの今後の研究に差し支えがあっても困るのであまり詳しくは触れられないのですが、沖縄の湧き水に対する信仰心の厚さ、風習、文化まで幅広い分野にまで話が及び、嶋田さんの研究に少しでもお役に立つ情報交換ができたのであれば幸いです。また、今後も交流を深めることができればと思います。
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