震災と湧き水~湧き水資料展に向けての準備①
3月31日の『湧き水資料展』では、今月完成予定の
「浦添市の湧き水MAP 改訂版」の無料配布と湧き水
fun倶楽部会員による資料を持ち寄り、湧き水に関する
情報提供を行います。
①湧き水fun倶楽部事務局
(平成23年度の活動記録、寄贈本の展示、湧き水map作り資料)
②歴史・文化部門
(湧き水にまつわる歴史や文化の資料)
③環境部門
(湧き水をとりまく自然環境の資料)
④湧き水めぐり部門
(県内の湧き水めぐりスポットのご紹介)
その他にもそれぞれの会員が、個人的に集めた資料や
テーマを設定しての資料展示なども準備を進めています。
そのひとつが「震災と湧き水」
きっかけは新聞に掲載された一枚。
以前、ラジオで湧き水に関する取材をした際に
何度も聞いたこの言葉。
「水汲みは、子どもと女性の仕事で、毎日、
飲み水や生活用水を汲むために本当に大変な
思いをした」
という話です。
遠い過去の思い出話として聞いていた話が
震災などのライフラインが途絶えると、現代の
私たちもこのような「水汲み」を日課とした
生活をしなければいけないということが、歯を
くいしばって両手に水をもつ男の子の表情から
ひしひしと伝わります。
水は生きるためにはなくてはならないもの。
もし、震災等で水道の水が使えなくなったら
あなたはどうしますか?
東日本大震災から1年がたった今月、私たちは、
資料を展示することにより、来場者の皆様と一緒に、
「水」の大切さについてあらためて考えてみる
機会を持ちたいと思っています。
震災後、地域の地下水についての関心も高まって
いるようです。
売れている本の一冊にこんな本があります。
飲み水には使えないにせよ、トイレの水やちょっと
した洗い物ができる水は、震災時、とても貴重だった
といいます。
自分たちが住んでいる地域の水脈や地層などに
関心を寄せ、かつて水道がしかれていなかった
時代のように、地域の水源(ミニダム)の確保、
水質検査、水質保全のための活動は、これから
ますます重要になってくると思います。
そして、これも胸をしめつけられる思いがした
新聞記事。
かつて、水道がなかった時代は、自分たちが
お世話になる湧き水を「命の源」と大事にし、
子どもが産まれるとそこから「産水」を汲み
沐浴をさせ健康を願い、この世を去る時は、
その人の産水を汲んだ湧き水から汲んだ水を
ひと口飲ませ(またはその水で身体を浄め)
命の初めと終わりに必ずその水を用いたと
いいます。それは人々の願いと感謝のこも
った大切な儀式だったようです。
新聞記事で取材されている方は、避難先から、
時々自分の家にもどり、放射能汚染の心配が
あるにもかかわらず、今まで毎日お世話になっ
ていた「湧き水」を汲んで、愛飲していたそう
です。
そして、亡くなる当日も、その水を切望し、
自らペットボトルにこの水を汲み、そのまま
その場所で亡くなってしまったそうです。
私はその方の気持ちが、少しだけわかるような
気がします。
彼女にとってこの水は「故郷」であり、「祖先」
であり、なにより「自分自身」であり、この
水なしでは、生きていけないということを
実感としてもっていらっしゃったのではないで
しょうか。
「水」は『宝』であり、『命』そのもの。
そんなことを改めて教えてくれたいような
気がします。
震災から一年。
犠牲になった多くの方のご冥福と、今なお
震災で辛い思いをされているすべての皆様が
一日でも早く元気になられることを心から
お祈りしています。
湧き水資料展では、少しばかり、このような
資料も展示する予定です。
どうぞ、足をお運び下さい。
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