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6月定例会~「やえせ水紀行」ぐしちゃん編~

2018年07月01日

Posted by 湧き水fun倶楽部 at 14:53 │Comments( 0 ) 定例会
6月30日は、定例会として~「やえせ水紀行」ぐしちゃん編~の活動が行われました。
今回の活動は湧き水fun倶楽部と水の環プロジェクト、八重瀬町ガイドの会の三者による共催で、湧き水fun倶楽部からは7名の参加がありました。
6月定例会~「やえせ水紀行」ぐしちゃん編~
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具志頭改善センターで出発式を行い、各団体の代表がそれぞれあいさつを行います。外は結構な雨が降っています。
6月定例会~「やえせ水紀行」ぐしちゃん編~
まずは、「屋冨祖井(ヤフガー)」に行き、マイクロバス車内で、このカーは1919年(大正8年)に整備され、面積は79㎡であること、飲料水としての利用のほか、洗濯や馬などの水浴びにも利用されていたことなどの説明を受けます。このカーは、干ばつの時期に犬がずぶ濡れで出てきたことから発見され、その犬の飼い主が屋冨祖さんだったことから「屋冨祖ガー」と名付けられ、それがなまってヤフガーとなったのだそうです。
6月定例会~「やえせ水紀行」ぐしちゃん編~
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立派な石積みが残され、規模も結構大きいです。
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水も清らかに見えます。出発時の雨が急にポツポツ程度になりました。
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次に訪れたのは「座嘉武井(ザカンガー)」。ここのカーの水は、安里地区や玻名城地区などに供給されているのだそうです。
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雨はもうほとんど降っていません。
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このカーの用途は主に農業用水です。1950年頃までは稲作としての用途に利用されていたものの、さとうきび、花き、野菜への転換が相次ぎ、今ではピーマンや大根、菊などに利用されているそうです。屋冨祖井と同じような目的で生活用水としての利用もされていたそうです。
このガイドさんの実家では、、このカーをウマチーでの拝みや若水汲みなどに利用していることがわかり、とても嬉しくなったそうです。
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次に訪れたのは、「世持井(ユムチガー)」。
6月定例会~「やえせ水紀行」ぐしちゃん編~
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このカーは、この湧水によって作物が良く育つようになり、世を持ち直したということで世持井と名付けられたそうです。また、別名として「アハガー」とも呼ばれていたそうです。それは、沖縄の方言で「アファイ=味が薄い、おいしくないなどの意味」から来ているそうで、その理由は、おいしい水のあるところは侵略されやすいために、近隣のグスクの城主が敵を欺くためにそう呼んだのだそうです。
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また、以前の写真を見せていただいたのですが、その当時は飲料水、食べ物などを洗う場所、男性の水浴び、女性の水浴びの場所がきちんと分けられていて、以前の面影が薄くなってしまったのは少し残念です。
6月定例会~「やえせ水紀行」ぐしちゃん編~
6月定例会~「やえせ水紀行」ぐしちゃん編~
このカーには手長エビがたくさんいるとのことで餌でおびき寄せると、8~9匹の手長エビが続々と現れました。
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最後に訪れたのは「慶座井(ギーザガー)」。
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カーの石積みは、中央やや右手に少し黒く見える位置にあります。
6月定例会~「やえせ水紀行」ぐしちゃん編~
このカーは、那覇市首里にある「指司笠樋川(サシカサヒージャー)」に形状の似ていて、東西に35m、南北に15m、深さ10mという大きな規模のカーですが、少し深く離れたところにあるため簡単には行けないようです。
この地域は高台に位置することから水の便が悪かったそうですが、近くの慶座の崖(ギーザバンタ)から滝のように水が湧き出す場所があったことから、この周辺を掘って水脈を探し当てることができれば井戸として利用できるということで、1861~63年頃に琉球政府の命を受けて16歳から60歳までの男性が水脈探しの役務に従事したものの、結局水脈を突き止められずにとん挫してしまったそうです。
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これについて、琉球大学の安元先生が「このあたりの断層が少し低くなっているところに水が溜まり、それがギーザバンタに流出しているもので、工事の場所がもう少しずれていたら水脈が探せたかも知れない」と補足説明を行うと「それを首里王府に伝えてくれれば・・・」との声があがりました。
6月定例会~「やえせ水紀行」ぐしちゃん編~
6月定例会~「やえせ水紀行」ぐしちゃん編~
次のガイドの方は、紙芝居です。このギーザバンタには願い事を何でも叶えてくださるすごい霊力を持つ水神様がいたが、その水神様は赤いものを忌み嫌っていた。ある日、3人の女がここを訪れ、そのうちの1人が生理の血で汚れた着物の裾を滝の水で洗ったことで水神様の怒りに触れ、3人とも大波にさらわれてしまったのだそうで、それ以来、ここを訪れる人は決して赤いものを身に着けなくなったそうです。これは、1685年頃の出来事として、「球陽」に記されているのだそうです。また、戦争当時、糸満市摩文仁からこの慶座にかけては、追い詰められた軍人などがここから身を投げたという悲しい歴史についても説明をしていただきました。
6月定例会~「やえせ水紀行」ぐしちゃん編~
最後は、近代~現代までの現状について説明を受けます。この付近は1960年に開発された「ワタヤー水源」により5500戸に日量4500㎥を供給していたものの、人口の増加により隔日給水となってしまったため、当時米軍が管理していたギーザ水源に目を付けたそうです。ギーザ水源は1秒間に5㎥の余剰水があったそうで、1976年に1日4000㎥の水がここから確保できるようになったそうです。その後、2002年に地下ダムが取水を開始し、ワタヤー水源とギーザ水源は廃止されたそうです。
6月定例会~「やえせ水紀行」ぐしちゃん編~
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この日は、台風7号の接近により風が強く、下まで降りることができなかったため、ここで予定はすべて終了です。
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出発地点に戻り閉会式を行います。
なお、水の透明度について正式に発表はしていませんが、いずれのカーも前回6月3日よりも改善されていたようです。
6月定例会~「やえせ水紀行」ぐしちゃん編~
湧き水fun倶楽部を代表して金城顧問がお礼のあいさつを述べ、
6月定例会~「やえせ水紀行」ぐしちゃん編~
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水の環プロジェクトや八重瀬町ガイドの会の方々からもあいさつを受け、閉会となりました。
出発前は大雨で合羽も持参しましたが、全行程中は雨具も必要なく、本当に助かりました。台風接近中ではありましたが、カンカン照りではなかったことからかえって良かったかも知れません。
琉球大学の皆さんにはマイクロバスを提供していただき、また、八重瀬町ガイドの会の皆さんには丁寧な解説をしていただき、この日の行動がより充実したものとなりました。大変お世話になり、心より感謝申し上げます。





















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